本成寺 三軌苑
ほんじょうじ さんきえん
本成寺は法華宗(正確には、法華宗陣門流)の総本山で、鎌倉時代(1297)に日印上人によって開山された。境内の庭園「三軌苑(さんきえん)」は、三条市の有志によって平成元年に復元されたものである。
日本のミケランジェロとも呼ばれる木彫りの彫刻家・石川雲蝶(うんちょう)が、晩年に本成寺にて多くの作品を残している。作品は予約制での見学となっているが、庭園「三軌苑(さんきえん)」は終日開放されている。
池泉には2ヶ所に中島を設けているが、中央の中島は雑草が伸びきっている。橋の架かっていない中島は手入れが難しいため致し方ないところだろう。
中島の先を望遠レンズで撮影。岩島の形状と配置が良い感じである。それだけに雑草が手入れされていないことが気になった。
三軌苑には腰掛け待合も復元されている。軒下には雨滴を受けるため石を敷いた砌(みぎり)がみられる。ちなみに砌は砌下(せいか/ぜいか)と表現されることもある。
腰掛け待合に隣接したところに、蹲踞(つくばい)を設けている。蹲踞には身を清めるための手水鉢、夜の茶会で使う明かりを置く石、湯桶を置く石などを含めたものを意味する。
枯流れには粗めの石を敷いている。
枯流れの上流には小規模な枯滝石組があり、滝水が流れ落ちる水落石の手前には、水を左右に分ける水分石を置いている。
苔むした飛石がいい味を出していたので思わず撮影。
先ほどの飛石もそうであるが、本成寺の池泉庭園を眺めると初見では、大味な池泉庭園に感じてしまうが、細部に目を向けてみると味わい深いポイントが隠れている。庭園巡りでは、このようなポイントを探してみるのも面白いものだ。
延段の先に腰掛け待合。このような絵になるようなビューポイントを探すのも面白い。
○ | 腰掛け待合を中心とした枯山水エリアに、見応えのある飛石や枯流れがある。 |
× | 池泉庭園の岩島での雑草が伸びきっているのが残念。 |