居初氏庭園（天然図画亭）

事前予約制のため12～14時と幅を持たせた訪問予約をさせて頂いた。受付を済ませ庭門を潜り、天然図画亭の本座敷で説明を受ける。本座敷前の延段は、大きめの石を使った大霰敷き（おおあられじき）だ。自然石のみを使った延段で、玉石を敷いたものを玉石敷や霰敷き（あられじき）と呼び、特に大きな石が使われているので大霰敷きと呼ぶ。

本書院の正面には亀島、左手には鶴島がある。なお蓬莱山に見立てた石組は無いとのこと。

亀島は護岸石組のように半円形に石を配列している。

亀島の中央部には中心石と、長寿のシンボルである松を植樹している。

低い視点で亀島を撮影。

説明を受けないと分かりにくいが、こちらが鶴島となり、中央の大きな石が鶴首石とされている。こちらも松を植樹しており、鶴の羽と見なすこともできるだろう。

庭門からは切石と自然石をミックスした「行の延段」を敷いている。

茶室に隣接しているため、手を清めて入室するために利用する手水鉢。江戸初期の手水鉢は石造物の部品を再利用し、このように立ったまま利用する「自然石の立手水鉢」が多く見られる。

大霰敷き（おおあられじき）の延段によって、格調高い書院の庭であることを印象づけている。

庭園の先には琵琶湖が広がっている。借景に琵琶湖と対岸の山並みを取り入れているのも居初氏庭園の特徴である。

本座敷からの額縁庭園。廊下を兼ねた内縁も設けられ、記事最初に載せている額縁庭園は内縁から撮影したものである。