薩摩藩の防衛拠点となっていた麓(ふもと)のひとつ。麓とは薩摩藩における外城制(とじょうせい)と呼ばれる地方支配の制度であり、外城制でできた武家集落(ミニ城下町)を麓(ふもと)と呼ぶ。出水麓は薩摩藩最大の麓である。ちなみに鹿児島藩の麓には「薩摩の小京都」と呼ばれる知覧麓があり、こちらは九州最大の日本庭園密集地区である。
出水麓には5ヶ所公開された武家屋敷がある。そのうち2ヶ所が有料であり、有料屋敷にいる解説員の方、もしくは出水麓歴史館にて缶バッチを購入することで見学できる仕組みになっている。まずは無料公開されている宮地邸からご紹介。
こちらは2008年に放送されらNHK大河ドラマ「篤姫」のロケ地にも使われた屋敷である。現在は内部は公開されておらず庭だけの公開となっている。出水麓でぎりぎり日本庭園といえそうなのがこちらである。
枯滝石組らしき石組があり、出水麓で最も迫力ある石組だ。
次は有料となる公開武家屋敷の税所邸。出水麓では最古とされ案内人が常駐している。
屋敷には庭があるが、立派ではあるが日本庭園の要素はほとんどない。
書院からの額縁庭園。
続いて同じく有料となる公開武家屋敷の竹添邸であり、こちらは出水麓と同じく「篤姫」のロケ地にも使われた。
こちらも庭があるが日本庭園の要素は少ないが、敷地は広く江戸時代の当時は1000坪もあったとのこと。
石灯籠はやや特徴的な造形だ。
庭園だけが公開されている無料で見学できる武宮邸。
刈込み主体の奥には一般的な日本庭園がありますが、特徴的なのは写真のポイント。目隠し的な防衛の役割を果たしているのだろうか。
最後は無料公開の三原邸。昭和初期の建物であり建物内部の公開は土日祝のみ公開され、庭は常時公開されている。
庭は特筆するものがないが、建物はレンタルスペースとしても利用できるようになっていおり、こういった保存地区でありながら面白い取り組みだと思った。
公開されている屋敷の地図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 石垣と高い垣根に囲まれた街並みは、江戸時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれる。 |
× | 日本庭園としての魅力は少ない。街並みと武家屋敷を楽しむエリアである。 |