開基は鎌倉時代(1229年)であり、もとは天台宗寺門派の門跡寺院(もんぜきじいん)である。門跡とは住職が皇室や公家によって受け継がれてきた寺院であり、江戸時代の東山天皇の幸子女王がお住まいになった。現存する数少ない女院(にょいん)御所である。
フジテレビ「林修のニッポンドリ(2018年)」で、林修氏が絶賛していた実相院門跡の床みどり。床みどりとは、黒塗りの床やテーブルに新緑が反射する様子のことであり、紅葉の場合は「床もみじ」と呼ぶ。比叡山口の瑠璃光院(るりこういん)の「床もみじ」が有名で、床もみじの発祥の地だろう。ちなみに実相院の床みどりは撮影不可であるため、この写真は・・・
休憩室にあった写真を撮影したものである(笑)
日本庭園は撮影可能であるため、まずは「こころの庭」を拝観。小川治兵衛(おがわ じへえ)の家系となる小川 勝章氏の監修の元、2014年に市民参加で作庭。小川治兵衛とは、庭園に芝生を初めて用いた植木職人7代目のことであり、通称植治(うえじ)と呼ばれる。その後、8代目・小川治兵衛、9代目・小川治兵衛と受け継がれ、次期12代目・小川治兵衛が小川 勝章氏となる。
「こころの庭」は、日本国を表現した石組と苔である。
島を囲む海に立つ木製のオブジェクトは波に見立てている。表面は杉皮が施され、後ろ側に盛り土をし、その表面を白砂で覆っている。
庭園左奥には三尊石が組まれている。ただし、焦点距離300mmの超望遠レンズで撮影して、この写真であるため、肉眼では確認しずらいだろう。
比叡山を借景にした雄大な光景であるが、電線や住宅が視界に入っていくルのが少々残念。
西庭は江戸時代に作庭された池泉庭園である。
重厚な品格ある自然石で沢飛石が施されていている。テレビでは映像的な「映え」から「床みどり」にフォーカスをあてていたが、旧御所からの庭園という視点で観賞したいところだ。
○ | 「こころの庭」は他では見られないデザイニングであり興味深い。 |
× | 床みどりを期待して訪問すると、想像以上に小規模でがっかりするかもしれない。 |