浄瑠璃寺庭園
じょうるりじていえん
平安時代(1047年)に創建され、1107年に日本唯一となる九体の仏像を納める阿弥陀堂が建立、1150年に池を掘り広げ蓮池とし、三重塔などが建てられる。昭和60年(1985)に国指定の特別名勝を受ける。
平等院、称名寺(横浜)と並ぶ浄土式庭園の代表格でもある浄瑠璃寺庭園。浄土式庭園とは、奈良時代には仏教の伝来とともに、死後に清らかな世界「浄土」への往生を願う「浄土思想」を表現した庭園である。この写真の左には三重塔がみえ、宝池の東岸にある此岸(しがん)と呼ばれる「現世」を表現した場所から撮影している。
三重塔から宝池と九体阿弥陀堂を望む。写真の石灯籠付近が、彼岸(ひがん)と呼ばれる「来世」を表現した場所である。そして、春分・秋分には太陽が三重塔から昇り、九体阿弥陀堂に沈むように設計され、ちょうど「来世」から「現世」へ太陽が移動するのである。
写真は三重塔と宝池の中島に造られた弁天社を望む。弁天社は2017年に修復されている。
中島の先端には玉石で洲浜(すはま)が造られ、7石で見事な石組が施されている。洲浜:池泉の水を美しく魅せる技法
中島を南から眺めると、細い石橋が架けらている。また玉石で表現した美しい洲浜にも目を惹かれる。
石橋は2石で支えられている。流石に自然石とは思えないので、作庭時期の平安時代ではなく近世以降(安土桃山、江戸)に造られたものと推測。
宝池の護岸石組なく、栗石で洲浜風にあつらえている。
此岸付近にある三尊石風の石組。
此岸から中島の洲浜と九体阿弥陀堂を望む。京都における紅葉の隠れた名勝でもあるが、草木が少なくなる冬のほうが魅力的に感じる庭園だろう。
○ | 平等院、称名寺(横浜)と並ぶ浄土式庭園の代表格をとても静かな環境のなかで観賞できる。 |
× | 特に見あたらない。 |