浄専寺
じょうせんじ
浄専寺(淨專寺)は江戸初期(1608)に創建された浄土真宗・真宗大谷派の寺院である。江戸中期に(1815)に現在地に移転された。庫裏の庭園はそのころに三条出身の京都の庭師・美石(通称ねこ)によって作庭された。平成2年(1990)に新潟県文化財名勝に登録される。
2020年よりコロナ禍の影響で拝観を停止しているが、特別に拝観させていただいた。庫裏にある中庭が県指定名勝であり江戸中期に作庭された枯山水である。本堂奥にも「奥庭」があるが整備工事中であった。
お寺の方に伺うと鶴亀庭園になっているとのこと。どちらが鶴であるか不明とのことであるが、左が鶴島で右が亀島と推測した。
左側の築山の奥には山形の石があり、鶴羽石ではなかろうか。厚みのある石橋は鶴首石と見立てることもできる。
亀島と推測した築山には枯滝石組が造られ、滝石下部に黒石を敷くことで品の良い意匠に仕上がっている。この枯滝石組と先ほどの石橋が上品であり、コンパクトな中庭ながら新潟県でも有数の名園と感じる。
亀島と思われる築山。滝石を亀頭石として見立てることもできる。
あまりにも猛暑で苔が一部なくなっているが、それでも築山の苔は豊かである。ちなみに中庭だと除雪が難しいとのこと。そう考える雪国でも庭園保存は大変な労力を必要とすることを考えさせられる。
お寺の方に伺うと、水を蒔いていないとのこと。それでも良質な苔が築山に保たれているのは、この土の影響とのこと。一般公開が再開されたら改めて訪問して、奥庭と共に改めてこちらの枯山水を拝観したいと強く思った。
○ | 江戸中期以降の石組で丸みを帯びた石ながらも、風合いの良い石を地元産の石を使った枯滝石組と石橋が鮮麗されており見事である。 |
× | 特に見当たらない。 |