長遠寺
じょうおんじ
長遠寺は鎌倉時代初期に創建された日蓮宗の寺院である。第55代内閣総理大臣の石橋湛山(たんざん)は、青年時代を長遠寺で過ごした。境内には昭和後期に作庭された池泉庭園と、一般公開されていない場所に江戸時代中期の庭園が残されている。
境内に池泉庭園があり、中島は亀島となっており、鶴に模したものはないとのこと。当初は小さな中島と、その中島にかかる太鼓橋があるだけの池だったものを、庭園として整備したとのこと。
亀中島を別角度から眺める。舟石と亀中島は対峙するように置かれている。
舟石。お寺の方に歴史を伺っていたところ、裏庭にも江戸中期の庭園があるとのことで、ご厚意により見せていただいた。
こちらが江戸中期の池泉庭園とのこと。日本地図を模っており、現在では北海道に相当するところが消失しているとのこと。日蓮宗の寺院ということもあり、中島の頂部にある山形の石は身延山を表している。身延山は日蓮宗の総本山のある寺院で、久遠寺にも庭園がある。右手の出島は佐渡島で手前の池泉は日本海とのこと。
雪見灯籠の奥には石橋を渡している。
石橋の奥は枯滝石組。
岬燈篭の奥には、身延山を模した石組が見える。ちなみに、お寺の方の説明では、岬燈篭は千葉県鴨川市にある誕生寺を表しているとのこと。鴨川市の誕生寺は日蓮聖人御降誕の地とされている。ただ、ここが鴨川とすると、池泉の手前は日本海ではなく、太平洋になるが、そのあたりは気にしないでおこう(笑)。
庭園の西部を望む。
身延山があることから、こちらの中島は本州だろうか。私は予約なしで訪問したが、現地にお寺の方がいらっしゃれば、こちらの庭園を見せてもらえるかもしれない。
○ | 山梨県でも知られざる古庭園。日本庭園を模しているというのがユニークで面白い。 |
× | 特に見当たらない。 |