海住山寺
かいじゅうせんじ
奈良時代創建と伝えられる真言宗智山派の海住山寺。境内には鎌倉時代に建立された五重塔は国宝。お寺の方に確認したところ、本坊庭園は江戸時代の作庭とのこと。
山々に囲まれた海住山寺は、クルマで急坂を登った先にある。本坊庭園からは山並みを借景とした苔庭が広がる。ただ、塀の奥にある林の成長により山並みが隠れ、遠近感による奥行き感が損なわれているのが勿体ないところである。
苔と砂利には緩やかな曲線が描かれ、品の良い飛石が配置されている。
額縁庭園を撮影。
本坊庭園の南側を撮影する。やや、植栽が多くまとまりがない。
左奥に枯滝石組、そこから枯流れに繋がり自然石による石橋が架けられている。ただ手前の刈込みにより、その姿が視点から隠れてしまっている。
石造りの手水鉢(ちょうずばち)と石灯籠が組み合わさった意匠。火袋はやや人工的であるが、それ以外の石は風格があり侘びを感じさせてくれる美しいものである。手水鉢は、隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるため造られることが多く、周囲に茶室はみあたらないので、この蹲居は観賞用だろう。詳しくは新潟県新発田市にある国指定名勝「清水園」の記事を参考にして欲しい。
国宝の五重塔。近年、道の拡幅工事が行われ、急坂ではあるが離合可能な山道である。ただし、2019年時点では地図に載っていないため、カーナビを信用すると狭い道に案内される可能性が高い。国道163号線の信号のある「海住山寺口」交差点を北上して、突き当たりを左折。100mほどすると右折で寺院へ繋がる専用道路がみえてくるので、このルートでアクセスしてください。
○ | 山並みに囲まれた空間にあるため、とても静かで清々しい空間で枯山水を愉しめる。ただし紅葉時期と「五重塔開扉」期間は混雑の可能性あり。 |
× | 塀奥の林により借景の魅力が半減している。 |