江戸(1813年)に庄内地方の大地主であった本間家の四代・光道が造築した池泉回遊式庭園。池の中島に鶴が舞い降りたことから、藩主・酒井氏によって「舞鶴園(かくぶえん)」と命名。庭園整備は、冬期に港で働く人々の失業対策事業として実施。また、酒井氏の休憩所として「清遠閣(せいえんかく)」が造られる。昭和22年(1947)に本間美術館として開業&一般公開され、平成24年(2012)に国指定名勝を受ける。
本間美術館では、庄内地方の大地主であった本間家の収集した美術品を見られるが、国指定名勝・本間氏別邸庭園(鶴舞園)が本命である。まずは、舞鶴園をぐるっと散策して築山から昭和天皇もご宿泊された清遠閣を望む。
訪問時は6月であるが、少し色づいた紅葉が舞鶴園に彩りを添える。春先から秋まで色づくノムラモミジのようで、少し違う。なんだろう。
それでは、清遠閣に足を踏み込んでみる。こちらで本間美術館で購入したチケットを渡す。
本間美術館のパンフレット表紙にも使われている光景。2方向に額縁庭園が広がる「W額縁庭園」。少しづつ間隔を空けて、ガラス戸が開いているのが素敵。さらに、一番みてもらいたい場所には一脚の椅子が、、、
椅子に座ってみると、このような感じ。2本の柱が一直線となる。贅沢をいうと、背景に電線が入り込むのが少々残念。
内廊下からの眺め。右手に半分みている赤色の石は、佐渡から運ばれた赤玉石である。その奥にある石は伊予の青石とのこと。こんなところまで運んできたことから、本間家の勢力ぶりがよく分かる。
高い目線から1枚撮影してみる。このアングルなら電線が視界には入らないが、落ち着かない不自然なアングルであることは隠せない。
さて、座敷を移動して食堂エリアに。酒田市の迎賓館としても利用されており、大正14年には皇太子殿下(昭和天皇)がご宿泊されたとのこと。現在では、こちらで抹茶や珈琲などのドリンクもいただける。
清遠閣は2階建てであり階段を登ってみると、このような格式ある座敷が広がる。こちらも一脚の椅子が設置されている。
2階から舞鶴園を見下ろす。
窓の外から撮影すると、舞鶴園の全景が見渡せる。池の中心に中島があり、反り橋などで繋がっているのがわかる。写真には映っていないが、左手には石組滝もある。水も流れているが、迫力に欠けるものである。
清遠閣を食堂エリア側から眺めてみる。
苔好きなので、こんなショットも。
特徴的な意匠をもつ岩があったので撮影して、本間美術館を後にする。
○ | 1階、2階の座敷から額縁庭園が楽しめる。 |
× | 築山、植栽をメインとするため特徴的な石組が少なく、石組好きな自分にはもの足らなさを感じた。 |