上賀茂神社は通称で正式名称は「賀茂別雷神社(かもわけいかづち)」であり、創建は飛鳥時代(678)と伝わる京都最古の神社。世界遺産にも登録された寺院だ。境内には渉渓園と呼ばれる曲水庭園があり、足立美術館を作庭した作庭家・中根金作(なかね きんさく)によって昭和35年(1960)に造られた。
上賀茂神社に曲水庭園があることを知らず、参拝後に散策していたときに、偶然写真の看板に気づく。「渉渓園」・・・これは庭園があることを意味しているハズ。
南側に出入口があり9時から16時まで開放されている。ネットで調べると平成27年(2015)頃までは非公開で特別期間のみの公開だったが、現在は常時開放となっている。これはありがたい。
曲水庭園とは、曲水の宴を執り行った庭ことである。これは平安時代の貴族が杯が自分の目の前までに流れてくるまでに詩歌を作って詠み、盃の酒を飲んで次へ流すという遊ぶ庭のことである。平安時代末期(1182年)に神主がこちらで「曲水の宴」を行ったことをきっかけに、足立美術館を作庭した作庭家・中根金作(なかね きんさく)によって渉渓園が昭和35年に造られた。
渉渓園では、京都紫野ロータリークラブの支援によって平成5年より、毎年4月に曲水の宴「賀茂曲水宴」として、こちらで開催される。その様子の写真はないが、浜松市の万葉の森公園 曲水庭園で、その様子の写真を掲載しているので参考にして欲しい。
私は苔庭に蛇行する流れが好きであり、例えば北畠氏館跡庭園などは、曲水庭園ではないものの見事な流れで美しい。
願い石(陰陽石)。渉渓園には龍の住む池があったといわれ、池の底より出土した陰陽石は陰と陽が極まり融合した姿を現しているとのこと。両手で同時に手を触れることでパワーがみなぎるとされている。
昭和に作庭された曲水庭園ではあるものの、かつてここで曲水の宴が行われたことにちなんだもので、神社の風格と相まって厳かで美しい庭園を感じとれる。
○ | 知識無しでみると、水流のある池泉庭園に見えてしまうが、かつてここで行われた「曲水に宴」を再現した曲水庭園ではあり、その美しさは奈良の平城京左京三条二坊 宮跡庭園に次ぐものである。 |
× | 特に見当たらない。 |