臨済宗円覚寺派の寺院である関興寺は、室町時代(1410)に関興庵として開基。江戸時代(1751)に関興寺と改められた。現在の庭園(枯山水・滝石組)は15年程前 (2005年頃)に作庭されたとのこと。また、関興寺は味噌で有名で「関興寺の味噌なめたか」という言葉が語り継がれる。これは「関興寺にお参りして有難い味噌を頂きましたか?」の問いかけの言葉として伝わったものである。
魚沼エリアで本格的な枯山水が見られる貴重な寺院。本堂南庭はかつては白砂敷きであったが、15年ほど前に巨石による石庭「臥龍の庭」が造られた。
岩を龍に見立て、龍が寝ている姿を現している。やや斜めに据えた立石は気勢を感じる。気勢とは、石の形や大きさや模様などからくる勢い(パワー)のことで、石を見たときに感じる見えない線となって空中にでているようなもの。
真横から眺めると、先ほどまったく様子が変わり、垂直に立てられた立石となる。眺める角度によって表情が変わる石は、鑑賞者を楽しませる名石だと思う。
苔島に横石、臥石を組んだ存在感ある石組だ。
先ほどの苔島には飛石を渡した大胆な意匠である。
本堂内以外は無料で自由に見学できるようになっている。続いて、拝観料を納めて本堂から「臥龍の庭」を撮影。シンボルとなる中島は5石で組まれている。
角度を少し変えて撮影すると、先ほど同様に石の表情が変わるのが興味深く、不思議な錯覚に陥る。
苔島の曲線が美しい。
別角度から撮影すると、このようになっており、先ほど写真と比べるとまったく違う様子であり、中央の中島が巨石に隠れてみえない。「臥龍の庭」は巨石による死角や、眺める場所の高さの違いなどにより、枯山水の様子が変わっていく。
本堂に上がると観賞できる「昇龍の滝」。こちらも「臥龍の庭」と同時期に造られたものである。
山畔の地形を活かしたところに滝石組を造った池泉観賞式庭園である。
滝石組は落差が10mほどあり、何段にも落とされている。
本堂に向かう前にも池泉庭園があり、周辺は苔で覆われており、池泉には2石の岩島を配している。
護岸石組は池泉の広さに相対した巨石が使われ、バランスが取れており美しい。
○ | 見る場所によって表情を変えていく枯山水であり、石の配置が絶妙で考えられている。 |
× | 特に見当たらない。 |