河本氏庭園
かわもとしていえん
河本家はこの地の大庄屋(町長)であり、河本家の主屋は江戸初期(1688)に建築。当主は5代目の弥三右衛門であり、現在は国指定重要文化財に登録されている。また敷地内には庭園が残され、こちらは県指定名勝である。
国指定重要文化財の主屋から鳥取県指定名勝「河本氏庭園」を見学。敷地内には「前庭」、「表の庭(南)」、「表の庭(北)」、「離れの庭」、「新離れの庭」があるが、本記事では3つを紹介する。まずは写真の「表の庭(南)」から見ていこう。
主屋からの「表の庭(南)」。こちらは幕末ごろの家系図に描かれた様子と類似しており、当時の様子が今も残っている。また軒下には雨滴を受けるため石を敷いた砌(みぎり)から、中央の飛石まで三方向から飛石が打たれているというのも珍しい。砌は砌下(せいか/ぜいか)と表現されることもある。
日当たりの良い南庭ながらも、苔焼けしていない。
続いて「表の庭(北)」へ。文末に掲載した幕末頃の庭園の見取り図では水路から水を引いた池泉庭園であったことが分かる。
客間を介して南北に庭園を設けた地割りで、北側が池泉庭園、南側が枯山水となっている。
最後に新離れの東に面する「新離れの庭」。
「新離れの庭」は「表の庭」よりも新しい時代に作庭されたものであり、飛石を主体としており「表の庭(北)」同様に雪見灯籠が置かれている。
客間から「表の庭(南)」を撮影した額縁庭園。
同じく、「表の庭(南)」での額縁庭園。
幕末時代の見取り図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 客間を挟んで南北に庭園を設け、北側はかつて水路から水を引いた池泉庭園、南側は枯山水と異なるタイプの庭園を眺められる。 |
× | 特に見当たらない。 |