万葉公園 まほろばの園
まんようこうえん まほろばのえん
雪舟や柿本人麻呂にゆかりの深い益田市に知的レクリエーションの場として昭和57年(1982)にオープンした万葉公園。万葉公園には、平安時代の風習であった「曲水の宴」を催せるように水を流せるように整備した「まほろばの園」がある。
石見空港近くにある万葉公園。益田市は雪舟にゆかりの深い町でもあり、雪舟作庭の萬福寺と医王寺がある。そのためこちらの庭園を知っている県外の人は少ないだろう。
昭和に作られた庭園で、緩斜面の園内を活かして苑路に沿って流れが作られている。水が流れているようにもみえるが、前夜の雨が残ったものである。
流れの上流から下流を眺める。大小多くの石が使われ、緩やかな曲線を描き美しい。また植栽も綺麗に刈り込まれよく手入れされていることがわかる。
取材時は9月だが小さな紅葉が色づいていた。
流れの上流には東屋がある。滝石組は見あたらなかった。
まほろば園の見所である「曲水の宴」。曲水の宴とは、平安時代の貴族が杯が自分の目の前までに流れてくるまでに詩歌を作って詠み、盃の酒を飲んで次へ流すという遊ぶ庭のことである。
「曲水の宴」は水を流せるように作られている。中秋の名月や茶会などにはイベントが開催されている。2018年の中秋の名月には、流れに沿ってライトアップが行われ、流れてくるお盆の上に乗せられたお茶とお菓子を受け取るイベントが開催されていた。平安時代の宴とは異なるが、子供も庭園で楽しめる工夫で素晴らしいと思う。
「曲水の宴」を模した庭園としては、おそらく最も長い距離の流れではないだろうか。実に面白い。
○ | 日本一長いと思われる「曲水の宴」の流れを見られる。 |
× | 解説がないと庭園マニア以外には理解できない。「曲水の宴」の解説案内板が欲しい。こちらで市内の雪舟庭園も併せて紹介してはどうだろうか。 |