萬勝寺
まんしょうじ
萬勝寺は鎌倉時代(1215)に創建した高野山真言宗の寺院である。庭園は江戸時代に作庭されたものと推定される。
萬勝寺の本堂裏側に回り込むと池泉庭園がある。池泉には自然石を架けているが、周囲の石組と明らかに調和が取れておらず、後世に置かれたものだろうか。
訪問時は水が涸れていたが、他サイトでは10cmほどの水が張っていた。そして、この写真には亀島と枯滝石組が作られており、次の写真で解説する。
図解するとこのようになっている。亀島は出島を兼ねた亀出島であり、右側に亀頭石を配している、そして出島中央には中心石を据えている。左手は枯滝石組となる。
亀出島を別角度から撮影すると亀頭石の反対側に亀尾石らしき石も確認できる。そして青石による石橋が不自然であることが分かるだろう。石の風合いを合わせ、かつ橋の四隅に橋添石を置けば収まりがよくなると思う。
枯滝石組はここ数年で補修され全体的に弱い意匠になっているが、滝上部の滝石は力強さを感じさせる。また滝石組の左手の護岸石組は亀出島にもみえ、とすると二対の亀出島が存在する面白い庭園である、
○ | 亀出島と思える石組が二対ある珍しい池泉庭園である。 |
× | 池泉に設置されたスプリンクラーのような器具と、不釣り合いな石橋が残念である。 |