旧松本剛吉別邸庭園
きゅうまつもとごうきち
明治40年に第3代、第9代総理大臣を務めた山縣有朋(やまがた ありとも)の側近・松本剛吉別邸。山縣は築庭が趣味であり、京都の近代庭園として有名な無鄰庵(むりんあん)は、山縣が施主となり日本を代表する庭園デザイナー小川治兵衛にて作庭。小川治兵衛の新しい造園手法を引き出したのは山縣とも言われ、政治家にして明治中期以降の庭園様式の形成に多大な影響を及ぼしたとされる。本庭園は山縣ゆかりの古稀庵(小田原市)に通じる特徴があるとされている。造園家は不明。2016年、小田原市が現所有者の岡田氏から茶室と庭園の一部を借り受け一般公開される。
元首相にして明治中期以降の庭園様式の形成に多大な影響を及ぼした山縣有朋(やまがた ありとも)ゆかりの庭園。松本剛吉は山縣の側近である。目立った池泉や枯山水が見あたらず、また後述する腰掛け待合があることより、露地(茶庭)に分類されるだろう。
茶室「雨香亭(うこうてい)」から。額縁庭園といいたいが、植栽が多すぎて庭園と言い難い。
滝石組とおもわれる。現在は水が涸れている。
滝石組の小脇を登っていくと、客人が主人の迎えを待つ腰掛け待合がある。木々の生長により視界不良だが、当時は庭園を見下ろせるロケーション。このように丘の上に腰掛け待合が造られるのは数少ないと思われ、客人をもてなす気持ちが感じ取れる。
石で流水を表現した枯流れだろうか。
最後に茶室「雨香亭」の外観を撮影して、茶室「雨香亭」をあとにする。
○ | 丘の上に腰掛け待合が造られた珍しい露地。 |
× | 植栽が多い茂り、うっそうとした露地である。冬に訪れるのが良いかも。 |