三井財閥の三井北家(三井北家)の第10代 三井八郎右衛門高棟(たかみね)によって建築。下鴨神社の参拝休憩所として、大正14年(1925)に現在の旧邸が造られた。昭和26年~平成19年まで京都家庭裁判所の所長宿舎として利用され、平成23年に国の重要文化指定を受ける。平成28年(2016)に一般公開。
旧三井家下鴨別邸の外観。三階建てというのが珍しく、3階には「望楼」と呼ばれる眺望の良い部屋がある。通常は2階、3階は非公開であるが、2月中旬~3月上旬の閑散期には「冬の三階望楼特別公開」と称して特別公開される。(2023年実績あり)
一般公開されている座敷で庭園を眺められるのは、こちらのみだが見応えある。天気の良さも手伝って、苔の美さに感銘を受けた。
芝生にも見えるが苔で敷き詰められている。座敷から飛び石伝いに池泉回遊式庭園を散策できるが、庭園内は立ち入り禁止である。
座敷から庭園を眺める。ここから正面に池泉が見えているが、池泉全体の半分ぐらいである。パンフレットをみると入り江なども造られているようだが、一般公開エリアからはその姿をみられない。ただ茶室を予約すれば、一般公開からは見えない池泉が楽しめる可能性がある。ネット申し込みでき、利用当日支払いなので使い勝手が大変よい。(午前中の茶室3時間お借りして5,100円+人数分の拝観料)
ガラス戸を閉めた状態。係の方が、閉めた状態も美しいといってデモしてくれるのが嬉しい。
ガラス戸に近づいて撮影。
池泉庭園エリアは立ち入りできないが、外から眺められる。
石造りの手水鉢(ちょうずばち:「つくばい」)とも呼ばれる)に、紫陽花が添えられている。手水鉢は、隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるため造られることが多いが、本邸宅ではどちらかといえば観賞用だろう。
あじさい園越しに、予約により利用できる茶室を望む。
池泉庭園を眺める。手前にある岩島の意匠がユニークである。なにを意味しているかは理解できなかった・・・
○ | 2016年10月公開と、まだそれほど知られていない庭園につき、繁忙期でも比較的落ち着いて庭園観賞できる。夏のライトアップや冬の非公開エリアの特別公開など、訪れる季節ごとに愉しみがある。 |
× | 池泉回遊式庭園の庭園内部は立ち入りできない。写真でもいいので、どのような石組になっているかなど知りたい。 |