妙感寺
みょうかんじ
真言宗であった妙感寺の創建時期は不明である。日蓮大聖人の孫弟子にあたる日像上人が鎌倉時代(1311)にこの地で布教活動していたときに、日像上人を開山として日蓮宗に改宗している。庭園は江戸中期に作庭されたものとされ、先代の住職の時代から整備が行われて現在の姿となっている。昭和58年に滋賀県指定名勝を受ける。
東近江市の庭園を取材していた日に時間に余裕ができたため、急遽お寺に電話して庭園拝観できるか確認して訪問。快く拝観を受け入れて下さり、住職に説明いただいた。庭園の石は裏山の岩倉から産出したものであり、良質の石で古くから築城や架橋などに使われていたとのこと。
庭園南側に渡り廊下を架け、渡り廊下からも庭園を眺められるようになっている。
枯池には亀石組を設けている。写真撮影している手前の立石が亀頭石となり、その両側の石が亀脚石、そして亀頭石の後ろ側の立石は中心石だろう。
亀石組を後ろ側から撮影。中央の山形の石が中心石と推測した石である。亀石組に中心石を配した例としては、京都の芬陀院 雪舟庭園などが挙げられる。
亀石組の北側を撮影。住職の説明では山側の石が2段になっており、下段は屏風石。上段は七福神石になっている。
渡り廊下から池泉を見下ろす。石組の中島に板石を渡している。
庭園北東部より渡り廊下を撮影。
本庭園でひときわ目を惹く立石。そして生け垣は借景と上手く一体化している。
手前の巨石には山からの湧き水が流れ落ちるが、猛暑につき初めて渇水となったとのこと。そして東の斜面にはサツキの刈り込みを本位としており、先ほどの生け垣により借景との連続性が生まれている。
渡り廊下と池泉を望む。
渡り廊下の下部越しに亀石組を望み、その右手に自然石による石橋がみえる。
○ | 生け垣により借景との連続性が美しく、また草木が除去されているため、石組が観察しやすく良い。 |
× | 特に見当たらない。 |