南禅院
なんぜんいん
南禅寺の塔頭寺院である南禅院は、南禅寺の発祥地といわれている。京都では唯一といわれる鎌倉時代作庭の庭園があり、鎌倉時代の第90代・亀山天皇が自ら作庭し、日本初の作庭家ともいわれる夢窓疎石(むそうそせき)が完成したと伝わる。国指定名勝と国指定史跡の歴史ある寺院である。
京都唯一の鎌倉時代に作庭された庭園であり、夢窓疎石が携わったともいわれる。南池には鶴島(左)、亀島(右)が配される。鶴島は山形の石により蓬莱山を表現している。
亀島を別方向から撮影。
亀頭石を図解すると、このようになっている。
亀島を亀頭石方向から撮影。
蓬莱山を表現している鶴島。山形の巨石で、不老不死の仙人が住む山「蓬莱山」を表現しており、また鶴島の鶴羽石も兼ねている。鶴島の左手には滝石組も確認でき、苔むした石と合わさり侘びを感じさせます。
鶴島の鶴羽石を兼ねた蓬莱山をクローズアップ。
鶴島の左手にみえていた山畔にある滝石組に近づいてみる。何段にも落とされ、滝流れにはいくつもの栗石を敷くことで、水飛沫が発生するように工夫されている。
複数の中島が配された西池を望む。
南池とは違い西池は護岸石組がみられない中島であるが、自然の風化により侘びを感じられる堂々たる中島である。
方丈には上がれないが、このような奥行きのある額縁庭園を撮影できる。
焦点距離85mm(35mm換算)の中望遠レンズで撮影。南禅寺エリアでは目立たない寺院であるが、凛とした空気感のなかでゆっくり庭園巡りを楽しめる。
○ | 京都唯一の鎌倉時代に作庭された古庭園。夢窓疎石も携わったともいわれ庭園好きには外せない。 |
× | ある程度庭園の知識がないと、小さな古庭園を5分ほど散策しただけの物足りなさを感じるかもしれない。拝観前に本記事に目を通しておくことをお薦めしたい。 |