如宝寺 隈上苑
にょうほうじ くまがみえん
創建は平安時代(802)と伝わる真言宗寺院の如宝寺(如寳寺)。敷地内には日本庭園・隈上苑が作られている。お寺の方にお伺いしたところ昭和の末には庭園が既にあったとのことなので、作庭時期は昭和とした。
日本庭園のある「麓山の杜」から徒歩5-6分の距離に、平安時代に創建されたと伝わる寺院に池泉回遊式庭園「隈上苑」がある。
池泉には中島が作られ、両側に石橋をかけ直線状に配置している。奥の石垣上に如宝寺の伽藍があり、駐車場もそちらにある。
それほど広くない隈上苑で一見すると見どころが少ないようにみえるが、そのような時にはフレームを絞って観察していくと面白い。例えば、私が注目したのはこの構図だ。ずっしりとした石橋の奥に滝石組を眺める。
滝石組は水が涸れていない枯滝石組。滝水が伝う水落石(みずおちいし)は青石を使うことで水の流れを表現している。
枯滝石組は2段で上段の写真。こちらも水落石に青石をつかい、両側には滝添石を据えている。
先ほどの滝石組の右側にも、もうひとつ枯滝石組を作っている。少々わかりにくいの赤マーカーで滝を記している。
枯滝石組から池泉を見下ろす。中島の両側に石橋を架けて直線配列になっている。
そして最後にお気に入りの構図で締めくくる。橋添石と池中立石が美しい。
○ | 枯滝石組の水落石に青石を使うことで水の流れを表現している。 |
× | 築山に刈込みが多い茂っていることで枯滝石組の存在を弱めている。 |