奈良時代(733年)に、日本で最初の大僧正(最高位)となった行基によって開創。徳川幕府を支えた筆頭である井伊氏の菩提寺(ぼだいじ)とされ、井伊氏ゆかりの寺となる。庭園は江戸時代初期に、日本庭園を語る上で欠かせない小堀遠州(徳川家の茶道指南役)の作庭である。2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」により龍潭寺にも注目が集まる。菩提寺:先祖代々のお墓のあるお寺
まずは庫裏(くり)の書院から本堂裏の庭園を眺める。本堂北側に庭園が設けられており、朝10時前に訪れると、写真の様に本堂の陰で庭園が暗くなってしまう。ここは正午に訪れるのがよいだろう。庫裏:寺の住空間のひとつ。近年では事務に使われることが多い。
本堂北から庭園を眺める。心字池の手前にある平べったい石が礼拝石(座禅石)であり、その正面の築山にある石が「守護石」である。
心字池の左手を眺めると、縦長の石が見つかる。これが仁王石である。2枚目の写真をみると右側にも同じく縦長の石である仁王石がある。これは、中央に守護石、両側に仁王石で、池の手前に礼拝石、さらに池の形が心字池となっている典型的な寺院庭園である。ただ、心字池はいくつか鑑賞してきたが、なかなか「心」という字に読めないのは何故?
本堂北には厚めの座布団が敷かれ、
さらには、足の弱い方にも不便がないように腰掛けも用意されている。
晴天で影が生まれる時間帯の訪問であれば、むしろ曇り空の方が写真としては美しい仕上がりなると感じた。特に、庭園周辺が木々で囲まれている場合は、視線が空にいくことが少ないのでなおさらである。
龍潭寺庭園を正面から眺める。右端に池の手前にあるのが礼拝石。左1/3の位置にある縦長の石が仁王石。さつきが花開く5月頃が彩り豊かで美しいだろう。訪問日は12月末であったため彩りに欠けるが、石組の美しさは強調される。
再び庫裡(くり)の書院から庭園を眺める。右手前にある石が仁王石である。
本堂正面からは枯山水が楽しめる。
浜名湖を表現した補陀落(ふだらく)の庭。補陀落:観音菩薩の降臨する霊場
本堂から枯山水「補陀落の庭」を眺める。
両側に仁王像が安置されている仁王門。昭和62年(1987)に建立された。また、龍潭寺の分寺が滋賀県彦根市の龍潭寺となり、こちらも小堀遠州によって作庭された庭園がある。
手書きの龍潭寺見どころマップ。とても分かりやすく良くできている。Webサイトも丁寧で好感もてる。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 座布団や椅子に座って庭園鑑賞を楽しめる。さらには約8分間の音声による庭園解説が流れており、理解の助けになる。 |
× | ツツジが主役となりつつあり、石組が際だっていないのが残念である。 |