島根県庁舎庭園
しまねけんちょうしゃていえん
モダンな庭園造りで知られる日本庭園史の研究家・重森三玲(しげもり みれい)の長男である重森完途(かんと)の設計により、昭和41年(1966)に作庭。4年前には鳥取県庁舎の庭園も作庭している。
議事堂中庭に作られた枯山水。白砂を仕切る意匠は島根県の海岸線を意識し、その素材は太古のイメージをもとに焼物の肌を敷石によって表現。
重森完途(かんと)の父・重森三玲(みれい)で良く使われる石を立てる技法が使われている。また中央にある巨石は蓬莱山を見立てているのだろうか。
海に見立てた白砂には立体感ある苔山で島を表現。これも重森三玲によく見られる。
苔山には三尊石組がみられる。
議事堂中庭を反対側から撮影する。
場所を変えて、6階から本館中庭を見下ろす。こちらは朝焼け・夕焼けの壮絶な八雲を抽象的にデザインした歩道庭園。庭園を真上から眺められることを前提にして作庭されたのだろう。苔のパターンにかこまれた飛石は、茶庭の伝統をもつ松江の歴史を現代に調和しようとデザインされたものである。
本館中庭に下りて撮影。州浜模様の延段も重森三玲の手法であり、しっかり長男に引き継がれている。曲線を多用して、白砂と苔で無機質な通路をモダン庭園にする創作は見事である。
白系統の色で統一された空間。
松江城を借景に2群の石組を眺めながら、島根県庁をあとにする。
○ | 議事堂中庭に積極的に石を立てた枯山水は迫力ある。 |
× | 議事堂中庭はガラス越しの観賞であり、6階から本館中庭を眺めるられるようになっているが、ガラスにより見えにくく勿体ない。 |