心光寺庭園
しんこうじていえん
心光寺は安土桃山末期(1602)に創建した浄土宗の寺院。現在の本堂は昭和49年(1974)に再建されたもの。庭園は江戸時代初期のもので、鳥取県指定名勝に登録されている。
国指定名勝「深田氏庭園」同様に事前の電話予約で見学できる庭園。心字池には松やキリシマツツジなど多くの樹木が植えられている。
護岸石組には来待石(きまちいし)が使われている。来待石は宍道湖の南岸に分布する凝灰質砂岩(ぎょうかいしつさがん)であり、江戸時代には、来待石は「御止石(おとめいし)」と呼ばれるようになり、藩外へも持ち出しが禁止されていた。また飛石が高く打たれ、踏み石に巨石を使うところは出雲流庭園を感じさせるものがある。
池泉は出島が対峙しており、お寺の方の説明では右手が鶴出島であり、左が亀出島とのこと。現地解説文では「鶴島を模した岬には松が植えられ」と記載されているが、現在は両方の出島に松が植えられている。
別角度から撮影。右が鶴出島、左が亀出島であるが、松が岬に寄っているため出島であることが分かりにくい。
庭園北部から鶴出島を撮影。護岸石組は前述した来待石(きまちいし)。とっとり文化財ナビによれば、「来待石を用いた護岸の石組は同じ米子市内にある深田氏庭園との共通性が感じられる。」とのことである。
正面から鶴出島を撮影。松自体が鶴を模していると思われる。
亀出島を撮影。お寺の方は「岸石組を組み直したら水が沸いてきた。」とのこと。つまり数年前は水が涸れていたが、整備により再び湧き水により池泉に水が戻ったということになる。なんとも不思議な話。
新光寺庭園の測量図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 鶴出島の対岸にある護岸石組、飛石などの意匠が興味深い。 |
× | 木々の生長により、鶴出島と亀出島の存在が弱まっているのが残念。 |