正眼寺 観音像前庭
しょうげんじ かんのんぞうぜんてい
臨済宗妙心寺派の正眼寺は、江戸初期(1685)に創建。観音像前庭は、モダンな庭園造りで知られる日本庭園史の研究家・重森三玲(しげもり みれい)によって昭和43年(1968)に作庭された。
モダンな庭園造りで知られる日本庭園史の研究家・重森三玲(しげもり みれい)は200ヶ所近くの庭園を作庭してきたが、岐阜県で三玲の作品が見られるのは正眼寺だけである。
重森三玲の作品をいくつか見学してきた方ならば、雲形模様の乱張りをみれば、それはまさに三玲の作品であることが想像つくだろう。
意欲的な中尊石と、寝かせた横石によって組まれた三尊石。
通常石組は一直線上に並べることはないが、重森三玲の庭園ではその定石を敢えて崩している。また、石組の右手に一直線のラインを描いているが、これは観音の出現により雲海に放射される無量光(むりょうこう)を表している。無量光とは、阿弥陀仏が発する希望の光のことである。
重森三玲の枯山水では石を立てることが多く、天を突くような石を据えている。
枯山水は駐車場に隣接した場所に造られていることから、車窓からも庭園を見学できる珍しいタイプである。
○ | 阿弥陀仏が発する希望の光(無量光)を表現している珍しい石庭。 |
× | 公式サイトを含め、石庭の解説がまったくなく、折角の重森三玲作庭の庭園を理解しにくく勿体ない。 |