高梨氏館跡
たかなししやかたあと
鎌倉時代から室町時代にかけて活躍した北信地方の豪族・高梨氏の支配下であった中野市。その高梨氏の住居跡が高梨氏館跡である。庭園は16世紀前半の室町時代に造られたと考えられている。平成19年(2007)には国指定史跡を受ける。
庭園跡の全景。案内板によると当初は池泉庭園であり、のちに枯山水風に改修されたと推測されている。池泉手前の土部分(等間隔に石が置かれている領域)は建物跡である。このことから池泉鑑賞式庭園であり、室町時代の庭園であることを考慮すると「書院造り庭園」に位置づけられるだろう。
滝石組であり三尊石の「滝石組三尊石」がみられる。当初は水が流れていたが、のちに滝につながる導水路は埋められ、枯山水に改修されたとのこと。枯山水庭園は室町時代に発展したといわれており、なるほど合点がいく。
ひときわ目立つ立石。その手前に3つの岩島が三尊配置されている。
立石を横から眺めたところ。高さは1mほどある巨石だ。
池泉の護岸は山石や川原石で囲われている。この方向から眺めるとハート型にも見えるが単なる偶然だろう。
高梨氏館跡の案内板 [ 案内図を拡大する ]
○ | 池泉庭園から枯山水へと変化をしたと推測される貴重な庭園のひとつ。こういった庭園は、案内板の解説が丁寧であることが多く、目を通してから眺めると面白い |
× | 庭園跡であるが故に想像力を働かせる必要のあり庭園マニア以外には受けない。 |