徳明園
とくめいえん
徳明園は呉服商として財を成した商人が、大正から昭和初期にかけて、つるはしとスコップにて掘り進めて地中観音霊場「洞窟観音」が完成した。その残土を活かして造られたのが徳明園となる。
高崎観音の近くにある洞窟観音には、徳明園と呼ばれる日本庭園がある。谷地を活かした地形で、紅葉シーズンにはライトアップされる。
「浦島の池」と名付けらた池泉は回遊できるようになっており、洞窟や滝石組なども造られている。
「浦島の池」ということもあり、リアルな亀に掘られた石に浦島太郎の石像が載せられており、手前には鶴の銅像を置いている。
浦島の池の隣には苔庭がある。
3月に訪れたため苔の彩りが良くないが5月頃になれば、深緑の苔と白砂が融合した美しい苔庭となるだろう。ただ左手にある石塔はミスマッチだと思う。
苔庭。
苔による野筋に巨石を中心とした三尊石風の石組がどっしりと構える。
徳明園の石庭は永く未完成であったが、平成30年(2018)に整備された。
扇形の白砂には1ヶ所だけ砂盛が造られ、山の斜面は集団石組となっている。
山徳記念館には休憩スペースがあり、室内には入れないが縁側に座って寛ぎながら池泉庭園を見下ろせる。
山徳記念館横のスペースに亀石組を発見。先ほどの「浦島の池」に置かれた亀と繋がりをもつような配置になっているとのこと。
つづいて洞窟観音へ。雰囲気ある洞窟は涼しく一年中17度になるようだ。
洞窟観音には中国の山水画のような険しい山並みが表現されている。奥の白い縦筋は滝であり、白砂は渓谷を流れる大河を表現しているのだろう。徳明園以上にこちらの石で掘られた山水画に感動を覚えた。これを見るだけで訪問する価値があると思う。
パンフレット裏面の案内図より引用 [ 案内図を拡大する ]
○ | 洞窟観音の山水画に見立てた石組が実にリアルで見事だった。 |
× | 池泉庭園がやや大味であるため、彩り豊かな紅葉時期に訪れることをお薦めしたい。 |