鳥潟会館(旧鳥潟家住宅・庭園)
とりがたかいかん(きゅうとりがたけじゅうたく・ていえん)
安土桃山末期の邸宅を土台にして、江戸末期に鳥潟家としての住宅が建築された。庭園は明治時代を代表する植木職人7代目・小川治兵衛(おがわ じへえ)の門下である粕谷幸作により、昭和11年(1936)より5年の歳月を掛けて造園。
東北道で青森県へ向かう途中に立ち寄った秋田県大館市にある鳥潟会館。小川治兵衛(屋号:植治)の門下によって作庭され、芝庭と池泉を融合させた風情ある池泉回遊式庭園である。出島に向かって沢飛石で繋がり回遊できる。
船着石から御陵池を望む。かつては舟を浮かべて移り変わる庭園を楽しむ池泉舟遊式だったのだろうか。
船着石から池泉の形状を撮影。左奥のカーブは案内図では洲浜と表現されているが、草により栗石が隠れているのが惜しい。
船着石の対岸にある石橋から撮影。出島から伸びる岩島は荒磯(ありそ)を表現していると推測。荒磯とは荒々しい磯場に見立てた石組であり、代表的な庭園では平泉の毛越寺が挙げられる。
荒磯と推測する岩島を別角度から撮影。
中島を結ぶ沢飛石は、長方形や正方形など形状が様々なのが面白い。
主屋の主人室から池泉へ流れが造られている。
流れの上流を撮影。
主人室近くに、三光灯籠(さんこうとうろう)が置かれている。これは桂離宮など、滅多にお目見えしたことのない灯籠で、太陽と月と星という三つの光りを意匠化している。桂離宮では望遠レンズでないと詳細は分からないが、こちらでは間近で見られる。
巨石による手水鉢。
最も眺めの良い座敷「主人室」から額縁庭園を撮影。
離れから、窓越しに茶室「草庵」を眺める。秋田県唯一の草庵茶屋であり、主人の迎えを待つ腰掛待合もある。
鳥潟会館(パンフレットより引用) [ 案内図を拡大する ]
○ | 荒磯と思われる石組や、桂離宮以外でお目見えしたこのない「三光灯籠(さんこうとうろう)」を間近で見られる。 |
× | 洲浜を除草して本来の姿を眺めてみたい。 |