雲龍院
うんりゅういん
雲龍院は真言宗泉涌寺派の塔頭寺院で室町時代(1372)に創建。後光厳天皇(ごこうごん てんのう)の勅願により創建された皇室ゆかりの寺院ということもあり、別格本山という高い地位にある。庭園は歴代の住職によって作られたものであり、本記事では作庭時期は昭和に分類している。
霊明殿前にある枯山水には、最後の将軍となる徳川慶喜(よしのぶ)が寄贈した灯籠。
16枚の花弁による菊花紋の盛砂に灯籠を立てている。菊花紋といえば皇室の紋とされパスポートにも使われている。
坪庭の石庭。立石は観音様が手を組んでいるように見えるという「マクロ石」と呼ばれ、雨に濡れることで漆黒の美しい石となるとのこと。
蓮華の間から額縁庭園。雪見障子の4枚のガラス越しに椿・楓・灯籠・松を眺めることができ「色紙の景色」と称されている。
悟りの間から、「悟りの窓」を使った額縁庭園。
同じく悟りの間から、僅かに明けられた障子越しの額縁庭園。障子の奥は広くない庭であるが、このような演出により、広がりを期待してしまう感覚になる。このように雲龍院は額縁庭園を撮影できるポイントが多くある。
大輪の間へ。ここから庭園を眺めるが、庭園自体には日本庭園の要素として特筆できる要素は少ないが、癒やされる空間である。観光客の多いシーズンでも穴場であり、ライトアップも開催される紅葉シーズンでも比較的落ちついて観賞できるのではないだろうか。
椅子の前に並べられた瞑想石に両足の「土踏まず」を置いて庭園を眺めることで、目も足も癒やされる。
瞑想の間から、先ほどの中庭庭園を違う方向から眺める。
砂紋と同じ菊花紋の手水鉢。皇室縁の寺院であることがよく分かる。
最後に「悟りの間」から額縁庭園を撮影。
雲龍院 案内図(パンフレットより引用) [ 案内図を拡大する ]
○ | 額縁庭園を撮影するポイントが多いのが最大の魅力。また菊花紋の盛砂に灯籠を立てているのも皇室ゆかりの寺院であることを象徴づけた面白い意匠である。 |
× | 最も広い庭園は、日本庭園として見るべきポイントが少ない。 |