旧山崎家別邸
きゅうやまざきていべってい
川越の老舗菓子店「亀屋」五代目・山崎嘉七氏の隠居所として大正14年(1925)建築。平成23年(2011)には庭園が国登録記念物(名勝地)に登録され、2016年には一般公開される。
2016年に一般公開された旧山崎家別邸では、国登録記念物(名勝地)に登録された庭園をみられる
窓側の広めに取られた縁側である広縁から茶室を眺めると、手前に石灯籠と蹲居(つくばい)が造られ、飛石を辿ると茶室へと誘われる。蹲居:隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるために造られていることが多い。
茶室手前を撮影すると枯山水がみられる。石で川の流れを表現した「枯流れ」には反り橋が架けられ、傍に据えた立石により全体のバランスを取っている。また、枯流れと平行するように玉石のみを用いて敷いた「玉石敷き」は、敢えて厚みをみせる演出をしている。
茶室庭園北部には三尊石を中心とした石組がみられる。ここが枯流れの上流であり、三尊石を兼ねた枯滝石組を表現しているのだろう。
庭園西部は芝生と植栽がメインとなる。
庭園の中心にある蹲居と石灯籠。
居間から額縁庭園を撮影。
二面採光になったベランダからも庭園を眺められる。
○ | 茶室と居間の間に造られた露地風の枯山水は、小さいながらも品格を感じる。 |
× | 枯流れの上流にある枯滝石組が見えにくい。茶室周辺に苑路を設けて欲しい。 |