佐多美舟氏庭園(知覧武家屋敷)
さたみふねしていえん(ちらんぶけやしき)
知覧武家屋敷庭園のひとつ「佐多美舟邸庭園」は江戸中期(1751-1764)に作庭された。美舟家は、知覧の領主の流れをくむ家柄で、江戸時代は知覧における最高の役所を担う家のひとつだった。
1枚目の正門は、高い屋根の左右に一段低く小さな屋根が付いていた格式の高い門構えである。そして本写真の中門も、正門を簡略化したデザインになっている。
知覧武家屋敷庭園の7つのなかで最も広い庭園。庭園北東部に蓬莱山石組と枯滝石組。佐多直忠邸庭園も同じ組み合わせであるが、こちらは植栽が多く石組が判別しにくい。
蓬莱山と枯滝石組に近づいて撮影。石組にも刈込みがあり、かつ白砂に浮かぶ岩島が刈込みに囲まれている。パンフレットと比較すると、刈込みが成長していることから、当初はもっと小さく石組主体の庭だったと推測できる。蓬莱山:不老不死の妙薬があるとされる山
蓬莱山と枯滝石組。このサイズで撮影してようやく石を積み重ねて枯滝石組が造られていることがわかる。
大海に見立てた白砂に浮かぶ岩島がサツキの刈込みに包み込まれている。また、なぜだか石灯籠にコインが積まれている。
○ | 石を積み重ねた枯滝石組に迫力を感じさせる。 |
× | 刈込みが成長しすぎて石組の存在を弱めている。 |