西尾市文化会館 伝想庵
にしおぶんかかいかん でんそうあん
西尾市文化会館は昭和55年(1980)に完成した市民会館で、デンソーより寄贈された茶室「伝想庵」を併設した日本庭園がある。
令和5年6月から令和7年1月まで大規模改修で休館中の西尾市文化会館。大規模改修前に取材した日本庭園を取材していく。園内は池泉回遊式庭園となっており、無料で開放されている。
敷地内にある「伝想庵」はデンソーから寄贈された茶室。デンソーの本社は愛知県刈谷市であるが、西尾市には株式会社デンソー西尾製作所があることからだろう。こちらではお抹茶と御菓子をいただける。
茶室に付随した露地には定番の蹲踞(つくばい)がある。手水鉢の手前には左右に手燭石(夜の茶会で使う手燭(てしょく)という明かりを置く石)と、湯桶石(茶室で使う湯桶を置く石)を配した基本形である。その右奥には灯籠もあるが、こちらは「F」のようなマークが刻まれた織部灯籠である。
小さな滝を作り、水が流れ落ちる水落石の手前には舟石のような岩を置いている。
水流は西尾ロータリークラブより寄贈された「ふれあいの泉」から流れ出している。
アーチ状の切り石橋。
池泉を横断する形で沢飛石を打っているが、長方形のコンクリートで機能性は高いが意匠としては残念なところだ。
市民会館から眺めるとこのような光景で、本庭園は室内から眺めるのがベストビューになっている。
このような立派なロビーから日本庭園を鑑賞できる。
大きく取られたガラスにより絵画のように庭園を感じられる。令和7年に完了する大規模改修後も同じような景色を楽しめることを期待したい。
○ | 屋内からも十分に庭園を楽しめるようになっており、背景に近代建築物がみえないのが良い。 |
× | 特に見当たらない。 |