豊泉寺
ふせんじ
曹洞宗の宝泉寺は室町末期(1532)に創建。本堂裏の庭園は、明治初期に作庭家・水村藤四郎による禅宗式庭園である。禅宗とは臨済宗、曹洞宗、黄檗宗が主となる。
2019年に大改修されれた本堂の裏には明治初期に作庭された池泉庭園がある。池泉には玉石を敷いて水際を美しく魅せる洲浜を造っている。
手前の飛石は大きな踏石と。その周辺に小さな石を配置した意匠であり、住職がその隙間に苔を植え付けている。写真はその途中段階である。
2ヶ所の出島の間には枯滝石組を造り、頂部に三尊石を組んでいる。おそらく三尊石組だろうか。ただ、築山に刈込みが多く石組が弱くなっているのが残念である。
左手の出島を望む。写真上に三尊石組と想定する石組がみられるが、やはり刈り込みが視界を遮っている。
築山には僅かばかりの苑路が設けられ、築山から撮影。本堂裏手には大きな窓ガラスと丸窓があることが分かり。住職にお声がけして本堂に上がらせていただいた。
丸窓から眺める豊泉寺庭園には三尊石組がみえる。住職曰く京都の源光庵にある丸窓「悟りの窓」を見学して、同じものを造ったとのこと。ちなみに源光庵も曹洞宗である。人柄の良い住職であり、いろいろとお話を聞かせて頂き、楽しいひとときだった。
○ | 洲浜の形状が美しく、限られたスペースながらも立体感ある庭園である。 |
× | 刈込みが多く石組本来の美しさを弱くしている。 |