隔林亭
かくりんてい
隔林亭は佐賀藩主・鍋島直正(なおまさ)の別邸神野御茶屋にあった茶室であり、昭和35年(1960)に解体された。その後一枚の写真と古図をもとに、平成5年に神野公園に復元される。
中島に造られた茶室というのは、珍しいだろう。平成に復元したときに、このような立地になったのかと思ったが、古図を確認すると当初からこのような地割りであった。当時は中島に2ヶ所の橋を架けているが、現代では橋は1ヶ所となっている。
露地から露地門を撮影。
露地門を抜けると、主人の迎えを待つ腰掛け待合がある。茶室へ導かれる飛石を確認すると、途中で蹲踞(つくばい)があり、こちらで身を清めてから、にじり口から入室するという流れである。
隔林亭の魅力は開放感ある池泉の風景。涼を感じながら呈茶を頂くこともできるのは嬉しい。
中島から池泉に向けて浮かぶように造られている。
額縁庭園。
茶室を撮影。案内版を読むと、佐賀藩主・鍋島直正は政務の余暇を隔林亭で茶を楽しみ、誌作にいそしむと共に心を洗ったそうだ。
ゴールデンウィーク期間中であったが、隔林亭は貸し切り状態の時間帯もあり、ゆっくりと額縁庭園の撮影を楽しめた。
木橋で中島へ渡り、露地門へと誘われる。駐車場も見学も無料であるため、気軽に訪れてみたい。
○ | 隔林亭からは、池泉を借景にした開放感抜群の額縁庭園が眺められる。 |
× | 露地は一般的なものであり、見どころは少ない。 |