旧古賀家
きゅうこがけ
九州5大銀行とまでいわれた古賀銀行を設立した明治時代の実業家・古賀善平の旧家。古賀銀行は昭和8年に廃業するが、明治17年に建てられた旧家が保存公開されている。
旧古賀銀行頭取の邸宅が無料開放されている。まずは主座敷と奥座敷に囲まれたお庭を拝見。
枯山水風に造られた庭園であり、枯池を造っている。軒下は丸石をコンクリートで固めることで、庭園に隣接しつつも不自然さを打ち消している。
枯池には長石を池中立石のように立てている。おそらく、かつては水を張った池泉庭園だったと思われる。
主座敷より南側の庭を額縁庭園として眺める。
当時の様子を感じさせる赤煉瓦塀が風合いがあって良い。平たい石を積み上げた石組も特徴的であるが、目立つ場所に照明が設置されているのはやや残念である。
1石を少し話した三尊石組は力強く美しい。その手前に立石と、地中に埋めて天端(てんぱ)を見せている意匠も面白い。天端:石の上面にある平面な部分。
「吾唯知足(ワレ、タダ、タルヲシル)」という「今を満ち足りたものとし、現状に不満を持たないこと」が記された最も有名な蹲居(つくばい)がみられるが、石地の配置などが石庭で有名な「龍安寺」のものと似ている。
築山には巨石を配している。土が占める面積が広く間延びした感じがあるので、芝などを敷くことで引き締まると思う。
様々な場所から庭を眺められるような建築設計になっており、庭好きの亭主であったことが伺える。
○ | 明治時代の和風建築邸宅から3方向の邸宅庭園を楽しめる。額縁庭園の撮影も面白い。 |
× | 土のままの空間が単調で間延びした印象を受ける。 |