国泰寺は鎌倉時代(1296)に、慈雲妙意禅師(じうんみょうい)によって開山された臨済宗国泰寺派の大本山である。昭和49年(1974)に京都の造園家・小川寿一によって石庭「月泉庭」と池泉庭園「龍渕池」が造られた。開山:初代住職
国泰寺には石庭「月泉庭」と池泉庭園「龍渕池」があり、どちらも彦根の龍潭寺にある枯山水「ふだらくの庭」を作庭した京都の造園家・小川寿一によるもの。国泰寺の公式サイトにも庭園のことについては触れられておらず、富山県民でも知られていない庭園だろう。
国泰寺の訪問までに700ヶ所近くの庭園を巡ってきたが、これほどの巨石で組まれた石庭というは初めてであり、あまりの迫力に驚いた。
岩は国泰寺を開山した慈雲妙意禅師ゆかりの二上山の砂岩、砂は京都の白川砂である。写真中央の巨石は42トンもあり石庭で使われる岩としては日本最大であろう。ちなみに二上山は、高岡市の美しい夜景を楽しめる場所としても知られている。
禅堂前にも意欲的な三尊石風の石組があり、その立石に向かって進む亀島を造っている。ここからは推測であるが、亀島があることから、この三尊石風の石組は鶴石組と想像した。立石が羽石であり、その左の横石が鶴の首となる鶴首石である。
これほど具象的な亀島もなかなかお目見えしない。
こちらの石組も興味深い。複雑な岩肌をもった石を組み合わせて小さな世界を造っているようだ。
中国の山深いところにあるような山水を描いているようにも見える。
こちらは三尊石だろう。
石庭では京都の龍安寺が世界的に有名であるが、龍安寺を「静の石庭」とすると、国泰寺は「動の石庭」という表現が当てはまる。
続いて池泉庭園「龍渕池」。橋の奥に三尊石があるのがわかるだろうか。分かりやすいように赤色でマーカーを引いた。
近づいて撮影すると、このようになっており、滝石組の上段に三尊石を造っているような意匠である。
国泰寺の案内図。赤マーカが今回紹介している2つの庭園である。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 日本最大と思われる巨石を使った石庭が意欲的で力強い。石庭「月泉庭」は富山県では最も優れた庭園といえ、石庭のカテゴリでも日本トップクラスだと感じた。 |
× | 特に見当たらない。 |