旧茂木佐平治邸庭園(野田市市民会館)
きゅうもぎさへいじていていえん(のだししみんかいかん)
醤油といえば「キッコーマン」。その茂木家、高梨家、堀切家の合同で野田醤油株式会社として江戸中期に創業したのが始まりである。その創業者一家である茂木佐平治邸家の本家。大正13年(1924)に建築され庭園も同時期に作庭された。昭和31年に野田市に寄贈され、同年より野田市市民会館として一般公開。庭園は平成20年に国登録記念物になっている。
野田市にキッコーマン創業者の邸宅庭園が2ヶ所公開されている。ひとつは高梨氏庭園(上花輪歴史館)であり、もうひとつはこちらである。こちらは野田市市民会館として無料開放されており、浜辺美波や横浜流星らが出演したドラマ「私たちはどうかしている(日テレ)」のロケ地としても使われた。
大泉水と名付けられた池泉は、かつては水が張られたように推測もできるが、低い岩島などをみると、当初から枯山水の枯池として造られたいたほうが納得がいく。
大泉水には沢飛石を打っている。
コンクリート敷きの枯池に玉石を敷けば風格が上がると考えたが、メンテナンスは大変になる。
芝庭には巨大な平天石(へいてんせき)がアクセントになっている。平天石:石の上面(天端)が平で高さのある石。
明治初期に造られた茶室「松樹庵」には、にじり口と立ったまま入れる普通の障子による「貴人口」が設けられている。
書院前には「流れの庭」と呼ばれる枯流れを造っている。奥にある山形の石は蓬莱石だろうか。
内縁をつかって額縁庭園を撮影。本当は客間からの額縁庭園を撮影したかったが、貸し切り利用で客間は利用できず。
中庭を撮影。カーブを描く延段が美しく、途中に小さな竹林を設けたセンスが良い。
野田市市民会館の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 中庭の延段が美しく、庭園を眺めながらサークル活動などで自由に貸し切りできる座敷が沢山ある環境がうらやましい。 |
× | 大泉水の枯池がコンクリート打ちであるのが、やや寂しい。栗石などを敷いて欲しい。 |