最勝寺
さいしょうじ
最勝寺は鎌倉時代(1258)に創建した浄土真宗の寺院であり、後に天台宗に改宗。亡くなった人を守り極楽浄土に導いてくれる守護仏・十三仏をモチーフにした石庭は群馬県の庭師によって平成11年(1999)に作庭、苔の美しい回遊式庭園は京都の小島庭園工務所によって作庭。
小島庭園工務所の作庭事例で庭園の存在を知った最勝寺。近くには廣澤美術館の庭園もあり合わせて訪問してみた。朝8時過ぎに到着して園内にはいると美しい苔庭が広がっていた。建物内には立ち入れないが、庭園内は自由に散策できる。
茶室もあり、近くには織部灯籠を備えた蹲踞(つくばい)もあった。
こちらで注目したいのは、木炭を敷き詰めた「雨落ち」だ。これは屋根から滴る雨水の跳ね返るのを防ぐ役目であるのと同時に、銅板を伝った雨を浄化させる役割がある。そして、この雨落ちが斜面に沿って敷かれているのは初めてお目にかかるものだ。
東屋からの眺め。
枯流れも作られている。
上流は滝石組風になっている。ここまでが小島庭園工務所によって作庭されたものだ。
続いて十三仏へ。こちらは群馬県藤岡市鬼石の作庭家・藤岡雅文によって作られたもので、亡くなった人を守り極楽浄土に導いてくれる守護仏・十三仏をモチーフにした石庭だ。藤岡市鬼石といえば、三波石見本庭があり、近くには青色ひとつである三波石が見られる国指定名勝「三波石峡」あり、石庭の造園業者が多い地区だ。
薬師三尊に続く険しい山波に見立てた石庭。
六道の鳥居。六道とは死後に生まれ変わるという6つの世界のことである。
彼岸橋に見立てられているのだろうか。
このように十三仏を祀った石像の近くに石庭がいくつも作られている。
虚空蔵菩薩を祀った石庭。
紅葉シーズンも見応えがあるとのこと。廣澤美術館に訪問した際には是非立ち寄ってもらいたい。
○ | 美しい苔庭の回遊式庭園と、十三仏をイメージした石庭がいくつもある。一般的な庭園好きから、古庭園好きまで満足させてくれる寺院だ。 |
× | 特に見当たらない。 |