静岡県浜松市にある龍潭寺の分寺。龍潭寺(浜松市)は、徳川幕府を支えた筆頭である井伊氏の菩提寺(ぼだいじ)とされる井伊氏ゆかりの寺となる。龍潭寺(彦根市)の創設は安土桃山末期となる1600年であり、臨済宗妙心寺派。「だるま寺」や「庭の寺」とも呼ばれる。庭園は江戸初期に作庭。
静岡県浜松市にある龍潭寺の分寺には、方丈南庭と書院東庭に分かれる。まずは枯山水の方丈南庭「ふだらくの庭」から拝観。
「ふだらくの庭」は、観音菩薩の住む補陀落山(ふだらくさん)とその一帯を表現した枯山水は、大小48石を配している。
補陀落山(ふだらくさん)に見立てた中島、その中央の立石が観音様の立ち姿である。庭園の奥の水平に刈り込まれた杉垣(すぎがき)が水平線、その奥の生垣は遙か彼方の雲を表現している。そして、手前の白砂はもちろん大海となる。
中島右手には、仏様の世界への渡し舟に見立てた舟石がある。
形状の異なる石による三尊石組。
左手には、こちらにも三尊石組がみつかる。
つづいて書院東庭「鶴亀蓬莱庭園」での額縁庭園。佐和山を借景とした池泉庭園である。
こちらは池泉庭園で、本家浜松市の龍潭寺と同じく小堀遠州によって作庭。小堀遠州とは、江戸幕府の茶人としても知られる庭園デザイナーである。池泉の右手には池に造られた飛び石である沢渡石がみられる。
池泉西部には、パンフレットに『日本でも最高のものといわれる直下型の枯れ滝・「龍門瀑」』として紹介されている枯滝石組がある。一見すると岩壁にみえるが、よく観察すると僅かに段差が設けされ滝石組であることが分かる。
滝の下に配された岩島は亀島。
向かい合うように、右手には鶴石組を配している。
正面(東部)には、集団石組がみられ山頂には三尊石組を配している。
再び方丈南庭「ふだらくの庭」に戻り額縁庭園を撮影。訪問時は雨天であったが、屋内からの観賞式庭園であったため寛いで眺められ良かった。
○ | 本格的な枯山水と池泉庭園を一度に愉しめる。 |
× | 特にみあたらない。 |