吉泉庭・悠泉庭(東雲公園)
きちせんてい・ゆせんてい(しののめこうえん)
泉大津市役所に隣接した東雲公園に昭和58年(1983)に作庭された庭園に、平成24年(2012)に泉大津市政70周年記念事業として、重森三玲(しげもりみれい)作庭の旧有吉邸の「吉泉庭」を移築。さらに同敷地に新たに「悠泉庭」を大阪芸術大学教授にして造園家の福原成雄にて新規に作庭。
泉大津市役所に隣接する公園に、モダンな庭園造りで知られる日本庭園史の研究家・重森三玲(しげもりみれい)作庭の移築庭園がある。この移築に尽力したのが京都の庭園デザイナー・福原成雄氏によるものであり、福原氏によって移築された。
移築前の旧有吉邸にあった「吉泉庭」は昭和39年(1964)に作庭されたものであり、重森三玲68歳のときの作品となる。重森三玲独特の大胆な立石組が目線を惹きつけ、奥の三尊石は蓬莱山を兼ねている。
三尊石組も随所にみられる。白砂で表現された枯流れには舟石を据え、不老不死の妙薬を先ほどの蓬莱山へ目指す入舟を表現している。
州浜模様の延段が広がり、重森三玲の庭園には多く見られる意匠である。他には三重県菰野町の菰野横山邸園で同様に州浜模様の延段が見られる。
こちらは新たに作られた悠泉庭。重森三玲をリスペクトしてか石を積極的に立てている。
こちらの枯山水は、眺めるだけの庭では無く、子供達が入り込み遊べる雄大な山々を表した枯山水庭園としているとのこと。確かに別の写真では、子供が石に登ったりして遊んでいる姿がみられた。こういった日本庭園は少なく良い試みだと感じた。
当初からあった庭園は巨石にて枯流れを作っている。
枯滝石組は大振りで庭園というよりかは、遊び場という空間といえようか。ちなみに本庭園を作庭した福原成雄氏の庭園は、高槻市の安岡寺でも見学できる。
○ | 重森三玲らしさを感じとれる枯山水を身近に感じられる。 |
× | 元からあった日本庭園とのギャップが少々ある。 |