世界2,800ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る

正法寺

しょうぼうじ
美しさ ★★
静寂さ ★★
京都府八幡市
  • 山門

    江戸時代の池泉観賞式庭園と平成の枯山水を観賞

    池泉庭園 枯山水
    庭園面積 300坪 (小規模)
    室内からも庭園を眺められる
    雨でも十分に楽しめる
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

正法寺の由来

正法寺は鎌倉時代初期(1191)に創建した寺院で、室町時代に浄土宗に改宗され、本時代に後奈良天皇の勅願寺となる。庭園は2ヶ所あり、江戸中期に作庭されたと伝わる京都府指定名勝の池泉庭園と、重森三玲の弟子・吉田清史によって平成に作庭された枯山水があり、期間限定で公開される。勅願寺:天皇の命で皇室の安泰を祈願する寺のこと






  • 池泉観賞式庭園

    桜の時期、紅葉時期など年間10日ほどしか公開されていない正法寺。右手に見える書院と山の間に池泉を設けた池泉観賞式庭園である。山畔には石灯籠があり、望遠レンズで撮影してみると、

  • 織部灯籠

    マリア像が彫られた織部灯籠である。その奥には滝石組がみられる。

  • 滝石組

    切り立った山畔を活かした滝石組は、何段にも落とされている。巨石は使っていないため、見落としてしまいがちな滝石組であるが、周辺の草木を綺麗に除去していることで石組が主体となり良い。

  • 沢飛石

    沓脱石から短冊状に渡した切石による沢飛石で対岸へ渡れるようになっている(見学時は庭園内への立ち入りは不可)。

  • 護岸石組

    書院と山畔の間に池泉を穿ち、池泉は小方丈まで続いている。護岸石組は大小組み合わせたもので力強い。

  • 額縁庭園

    書院から額縁庭園を撮影。紅葉の終わりかけであり色づきが良くないが、最盛期であれば石組、池泉、紅葉の組み合わせが絶妙だったろう。

  • 小方丈方面を撮影

    小方丈方面を撮影。山畔には多くの石を配している。

  • 山畔石組

    小方丈からは、迫りゆく力強い山畔石組が見事である。

  • 小方丈から書院を撮影

    小方丈から書院を撮影。小方丈と書院側では石組の強さが異なり、小方丈のほうが力強い。作庭家が違うのか、同一作庭家による意図的なものであるのかは分からない。

  • 織部灯籠と手水鉢

    書院前には織部灯籠と手水鉢が置かれているが、どちらも注目すべき特徴がある。まず手水鉢は切り込みがみれる意匠だ。

  • 織部灯籠

    そしてマリア像が彫られた織部灯籠(別名:キリシタン灯籠)の竿には空洞を設けた希有な意匠だ。

  • 吉田清史による枯山水

    続いて大方丈、本堂、唐門に囲まれた空間には、重森三玲に従事した吉田清史による枯山水がある。

  • 二十五菩薩来迎の庭

    本尊を阿弥陀三尊とする正法寺にちなんだ「二十五菩薩来迎の庭」となっている。三尊石の背後に、サツキで三尊風の大刈り込みを行い、その手前には並のようなツツジの刈り込みがされている。ガイドの説明によれば、三角形の切石は三尊石からの光を模しているとのこと。

  • 二十五菩薩来迎の庭

    三尊石、三尊風の刈り込み、三角の切石を本堂前から撮影。


総評
山畔地形を活かした滝石組、山畔石組など迫りゆく石組が美しい。また本堂前に近代に作庭された枯山水も観賞できて充実度が高い寺院庭園である。
×ガイドによる説明が非常に長く、自由観賞まで45分かかった。時間が限られている場合は、ガイド不要もしくはあらかじめ時間を伝えたほうが良いだろう。


アクセス
京都府八幡市八幡清水井73
京阪「石清水八幡宮」駅 バス8分+徒歩3分

駐車場
有り(無料)

開園時間
公開日は公式サイトで確認

入園料
700円

公式サイト

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2023-11-18 (土) 更新日 2024-07-21



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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は江戸中期です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
はい。充分に楽しめます。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
残念ながら、ありません。



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