世界2,800ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る

等覚寺庭園

とうがくじていえん
美しさ ★★
静寂さ ★★★
愛媛県宇和島市
  • 龍華山等覚寺の山門

    玉澗流の枯滝石組が見られる

    枯山水
    庭園面積 100坪 (小規模)
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

等覚寺庭園の由来

等覚寺は江戸初期(1618)に創建した臨済宗妙心寺派の寺院である。書院裏には創建当時の庭園が残されており、昭和45年には市指定名勝に登録されている。常時公開ではないため、事前に電話連絡が望ましい。






  • 等覚寺庭園

    事前に電話連絡で訪問した等覚寺。宇和島には市指定名勝の寺院庭園が3つあるが、本庭園のみ常時公開ではないため事前予約が望ましい。

  • 枯池

    かつては池泉庭園だったと思われるが現在では枯池となっている。左右に雄滝と雌滝と呼ばれる枯滝石組を造っているので、それぞれをみていこう。

  • 雄滝

    まずは雄滝。頂部には山形の石と立石で三尊石風に組まれている。

  • 陰陽石 陽石

    頂部を撮影。右側の立石は陰陽石で男性器に見立てた陽石となっているこから「雄滝」と呼ばれる。そして滝石組に橋を架ける「玉澗流」の滝石組となっている。玉澗流とは、滝上部に石橋を渡す手法であり、安土桃山時代に作庭家・上田宗箇(うえだ そうこ)によって生み出され、宋の有名な水画家・玉澗の山水画がモチーフとなっている。

  • 橋添石

    雄滝は出島風の地割りになっており、自然石の石橋を架けている。石橋の先には天を突くような橋添石が印象的だ。

  • 石橋

    石橋は薄くて華奢な吸い込まれるような美しい造形だ。石橋も橋添石もここからが最も美しくみえるポイントだ。

  • 雌滝

    続いて左手の雌滝。蘇鉄に囲まれた滝石組というのも珍しいが、やや煩雑で滝石組が沈んだようにみえる。

  • 雌滝

    こちらも滝に石橋を架けている。その奥にはある丸みを帯びた石を近づいてみると、、、

  • 陰陽石の陰石

    臼状の陰石であり、女性器に見立てている。陰陽石とは子孫繁栄を祈願した石組であり、役所の公式サイトには「上面が凹み常に水をたたえて潤いと恥じらいを見せている。また、前後の石も丸身の石を低く組んで柔らかさと温かさを演じている。」と表現されている。ちなみに陰陽石は大名庭園や武家屋敷庭園で見られるが、寺院では極めて珍しいものだ。古庭園では他には大分県杵築市の妙経寺庭園ぐらいだろうか。

  • 蹲踞(つくばい)

    蹲踞(つくばい)もあるが手水鉢の上面を石で塞いでいる。

  • 等覚寺庭園

    この扉を開けていただくと庭園に入ることができる。そのため、この門が閉まって入る場合は、お寺の方に見学可能か現地で伺ってみよう。


総評
玉澗流の枯滝石組、陰陽石など古庭園の要素が詰まっていて、コンパクトな割に見応え十分な庭園だ。
×特に見当たらない。


アクセス
愛媛県宇和島市野川甲1157
JR「宇和島」駅 徒歩20分

駐車場
あり(無料)

開園時間
事前に電話連絡が望ましい。

入園料
無料

公式サイト

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2021-11-21 (日) 更新日 2022-05-08



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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は江戸初期です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
いいえ。屋外を回遊する必要があります。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
残念ながら、ありません。



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