妙経寺庭園
みょうけいじていえん
妙経寺は平安時代に創建されたと伝わる日蓮宗の寺院である。境内には江戸中期(1775)に淡路出身の秦治郎兵衛兼利(はたじろうひょうえかねとし)によって作庭された枯山水が残る。平成15年(2003)には大分県指定名勝庭園となる。
お寺の方がいらっしゃれば見学できるが、法事などで不在時もあるということで、今回は電話でご対応可能な日程を伺って訪問させていただいた。書院から眺める座観式庭園で、中央に出島を設けた地割になっている。
本庭園はコンパクトながら見どころが多い。まずは出島から注目して見ると、力強く凹凸をもった美しい石が使われている。
出島を図解すると、陰陽石と三尊石で蓬莱山を設けていることがわかる。陰陽石は子孫反映を願う石組で、大名庭園や武家屋敷庭園で見られるが、寺院では極めて珍しい。古庭園では宇和島市の等覚寺庭園ぐらいではなかろうか。
陰陽石を望遠レンズで撮影すると、陰石の上部には丸みをもった窪みがある。ご住職から説明を受けなければ、陰陽石の存在に気づかなかった。
三尊石に組まれた蓬莱山も風格がある。
西側の入り江には枯滝石組を設けている。分かりにくいので図解してみると、、、
このような2段落としの滝石組となっている、
東側の入り江には切り石橋が架かっており、この石橋に作庭時期と作庭家名が彫られていたとのこと。石橋の手間にも岩島があり、
三尊石風に組まれている。
本庭園は作庭家・吉河功が会長を務める日本庭園研究会にて平成13年(2001)に整備され、その2年後に大分県指定名勝となっている。
地方の寺院で事前予約して訪問すると、とても丁寧な対応をしていただくことが多く、妙経寺でも同様だった。
○ | 寺院には珍しい陰陽石があり、また出島周辺の石組の風合いも良く大分県の書院庭園としては最高峰だろう。 |
× | 特に見当たらない。 |