太田宿 旧太田脇本陣(林家住宅)
おおたじゅく きゅうおおたわきほんじん(はやしじゅうたく)
中山道51番目の宿場である太田宿設けられた脇本陣。「本陣」とは大名や役人などが宿泊できる宿であり、一方「脇本陣」は本陣の予備的施設。同じ宿場に大名が複数宿泊する場合、格下の大名や役人が宿泊。本陣は一般宿泊できないが、脇本陣は一般宿泊も可能。現存する脇本陣は全国に8ヶ所しかない。
江戸中期に建築された脇本陣で、本屋敷では当時の村長にあたる庄屋も努めていた。上段の間からは中庭を観賞できる。
中庭には蹲踞(つくばい)を設けている。蹲居については次の写真で説明を、、、、
★が手水鉢(ちょうずばち)。手水鉢は、隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるため造られることが多いが、脇本陣には茶室はないため観賞用だろう。A、B、Cの石の表面は平であり、これには役割がある。Aは手燭石(夜の茶会で使う手燭(てしょく)という明かりを置く石)、Bは湯桶石(茶室で使う湯桶を置く石)、そして両手が空いた状態でCに本人が立ち手を清める。この4石をまとめて蹲踞(つくばい)と呼ぶ。
中庭を散策するが、敷地は小さく見どころはあまりなかった。
縁側にも手水鉢が設けている。石組からみて近年造られたものだろう。
次の間、上段の間と2つの座敷越しに額縁庭園を撮影。脇本陣だけに座敷部は気品あるつくりで、町屋の雰囲気を随所に感じとることができる。ここから徒歩3分のところにある旧小松屋(吉田家住宅)にある枯山水と合わせて訪れたい。
○ | 気品ある上段の間から中庭をのんびりと観賞できる。 |
× | 庭園目的で訪問すると物足らなさを感じる。 |