横山大観が最後の住処として大正8年(1919)に建築された日本家屋。東京大空襲で焼失するが昭和29年に再現され、また庭園は当時の姿のまま残されている。昭和51年に一般公開され、平成29年(2017)には「横山大観旧宅及び庭園」として国の史跡及び名勝に指定される。
横山大観記念館は撮影禁止であるが、記念館からのお声掛けにより特別に撮影取材させていただいた。まずは客間「鉦鼓洞(しょうこどう)」から2面に広がる額縁庭園を撮影。京風数奇屋作りの室内は特に天井の意匠が見事であり、照明のデザインも横山大観自身が設計されたとのこと。
庭園も通常は立ち入りできないが、今回特別に取材させていただいた。200坪の池泉庭園であるが現在は水が流れていない。
2本の滝を作っており、こちらは主滝である。上流には遠山石と思わせる山形の石をおき、遠山を模しており奥行きを生み出している。また手前左手の巨石は、旧肥後熊本藩細川家の第16代当主である細川護立(もりたつ)から贈られた通称「細川石」がある。
上流の遠山石から滝を見下ろす。現在管理している横山氏によると、近い将来こちらに再び水が流されるとのこと。これにより作庭当時の光景により近づくだろう。
こちらが2本目の滝となる枯滝石組である。
客間「鉦鼓洞(しょうこどう)」前から眺める。右手前の手水鉢は銀閣寺のものと類似している。
そのことを横山氏に伺うと、銀閣寺で現物を確認して比較したところ、意匠が銀閣寺のものとまったく同じであるとのこと。
客間「鉦鼓洞(しょうこどう)」では横山大観の絵画が多く生まれ、そして
横山大観の作品が飾られている。ガラス越しでなく直接作品を鑑賞できるのは大変貴重である、日焼けなどを考慮して週の半分だけを営業日にしているとのこと。こちらの作品も通常は撮影禁止であるのでご注意下さい。
第二客間からの眺め。雪見障子になっており、雪見障子により正面にある建物が視界に入らず庭だけを眺められる。
2階から桜が眺められる。なおこの窓から桜の撮影だけは一般客にも許可されている。
数年に1回ほど都心に雪が積もったときの光景も見事であるとのこと。雪の日でも大雪警報がなければ営業しているとのことなので、まさに狙い目だろう。
横山大観記念館の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 格式を感じさせる客間から、銀閣寺型手水鉢と枯山水を眺めれる。室内から楽しむ庭園であるため、石が艶やかになる雨天や雪の日にこそお薦めしたいところだ。 |
× | 写真撮影ができないのがやや惜しまれる。 |