世界2,800ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る
国指定名勝

養浩館

ようこうかん
美しさ ★★
静寂さ ★★
福井県福井市
  • 養浩館庭園の正門

    額縁庭園を静かに楽しめる優美な池泉庭園

    池泉庭園 / 国指定名勝
    庭園面積 2,500坪 (大規模)
    抹茶など頂ける
    室内からも庭園を眺められる
    ライトアップ時期あり
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

養浩館の由来

福井藩主 越前松平家の別邸で、江戸時代には「御泉水屋敷(おせんすいやしき)」と呼ばれる。1699年に数寄屋造りの屋敷と、千宗旦(せんのそうたん)の弟子である茶人・山田宗徧(そうへん)によって回遊式林泉庭園を作庭。そして明治時代に大名・松平春嶽(しゅんがく)により「養浩館庭園」と名づけられる。福井空襲により昭和20年に建物は焼失したもの石組や築山は被害がなく、昭和57年(1982)に国指定名勝庭園を受け、8年の修復を経て平成5年(1993)に一般公開された。






  • 養浩館

    北陸に現存する大名庭園は兼六園と養浩館の2ヶ所だけである。兼六園と比較して圧倒的にのんびりした庭園であり、松平家の別邸として造られた数寄屋造りの養浩館から、ゆっくりとお庭を楽しめる。

  • 出島に立てられた数寄屋造りの養浩館

    養浩館のある敷地は出島になっており、遣水から巨石の石橋を潜り、やがて池泉へ流れゆく様子が養浩館で最も美しい景だと思う。

  • 越前海岸の柱状摂理

    東尋坊で知られる越前海岸の柱状摂理(はしらじょうせつり)の岩による石組の先に、養浩館が池の浮かぶように立っている。柱状摂理を用いた石組は、他では宮崎県日向市の妙国寺でみられる。

  • 小亭「清廉(せいれん)」

    湯殿付近から望遠レンズ(35mm換算で200mm)で、小亭「清廉(せいれん)」を撮影。清廉左側には枯滝石組が造られ、深山幽谷(しんざんゆうこく)を表現している。深山幽谷:人が訪れないような奥深い自然の地

  • 陰陽石

    枯滝石組から枯流れ、そして洲浜へと繋がる。その護岸石組には、陰陽石が設けられていることは、ほとんど知られていない。陰陽石とは子孫繁栄を願った石組で、栗林公園(高松)や後楽園(岡山)などで見られる。

  • 小亭「清廉(せいれん)」

    ケヤキで造られた「清廉(せいれん)」は、景観の要所となっているが立ち入りはできない。

  • 小亭「清廉(せいれん)」

    清廉(せいれん)の室内。杉の薄板を重ね張りした柿葺(こけらぶき)の屋根。余談:杮(こけら)と柿(かき)は似て非なる漢字。フォントをHGS教科書体にすると右辺が少し違うんです...

  • 芝生築山

    砂利浜から景石越しに芝生築山を眺める。真夏ということもあり、芝が伸びており締まりがない。

  • 2017年11月に訪問したときの写真

    2017年11月に初めて訪問したときの写真。整備直後だったのだろうか、このように美しい築山を描いている。

  • 櫛形ノ御間から二方向の額縁庭園

    櫛形ノ御間から二方向の額縁庭園。養浩館は大名庭園で、最も額縁庭園が写真映えする庭園だ。

  • 飛石で石橋へと繋がる

    御座ノ間から飛石で石橋へと繋がる。飛石も様々な種類の石を用いて変化を付けているのが面白い。

  • 遣水から洲浜を経由して池泉へと流れる

    遣水から洲浜を経由して池泉へと流れる景も見逃せない美しいポイントである。

  • 誰でも満足できる庭園

    2017年11月に初回訪問、2021年7月に2度目の訪問。やはり養浩館からながめる景色が印象的で、古庭園好きだけでなく、庭園にそれほど興味のない観光客でも満足できる庭園といえるだろう。


総評
数寄屋造りの屋敷から眺める池泉庭園が最大の魅力。福井市中心部にありながら、屋敷からの眺めに近代建物が入らないのも嬉しい。
×陰陽石付近の草により石組が隠れてしまっている。


アクセス
福井県福井市宝永3丁目11-1
JR福井駅から徒歩15分。もしくは、京福バス 20系統、57系統などで「養浩館口江戸上町」下車 徒歩約3分

駐車場
あり(正門の南50mに無料駐車場があり、10台停められます)

開園時間
午前9時〜午後7時 (11月上旬から翌年2月末日までは午後5時閉園。入園は閉園時間の30分前まで)
時期限定で早朝無料開園の設定がありますので、時期や時間帯は公式サイトでご確認ください。

入園料
210円
中学生以下の方、70歳以上の方は無料。
時期限定で早朝無料開園の設定がありますので、時期や時間帯は公式サイトでご確認ください。

公式サイト

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2018-01-30 (火) 更新日 2024-08-11

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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は江戸 (1699年)です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
室内からも庭園を楽しめますが、庭園を満喫するには屋外を回遊する必要があります。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
あります。



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