旧朝倉家住宅
きゅうあさくらけじゅうたく
大正8年(1919)に建築された朝倉家は、都心部に残る数少ない関東大震災以前の住宅である。 国の重要文化財にも登録されている。
代官山駅から徒歩5分のロケーションに、大正時代に造られた邸宅と庭園を見学できる旧朝倉家住宅。玄関前の前庭を抜け、一般公開前に修復された庭門をくぐると、そこは邸宅前にある主庭となる。
平日ということもあり、都心部にもかかわらず人もまばら。
旧朝倉家住宅二階から主庭を見下ろす。池や枯山水などがない一般的な邸宅庭園といってよいだろう。飛び石で苑路が造られ、不規則に据えられた巨石、ツバキの刈込み、いくつかの石灯籠で構成されている。
二階の広間からは、新緑を切り取った額縁庭園を愉しめる。角部屋かつ、障子の中央がガラスになった横額障子により、立体的に切り取られた額縁庭園となり美しい。
石灯籠と中心とした額縁庭園。このように額縁庭園を撮影できる広間が複数ある。
丸障子もあり、かすかに様子をうかがわせる開放具合が良い。
朝倉家住宅を散策すると、石灯籠が多く配置されていることに気づく。
こちらは観賞用の手水鉢(ちょうずばち)。手水鉢とは隣接する茶室へ向かう際など、身を清めるため造られることが多い。
最後に茶室に隣接した中庭を眺める。奥には切石による八ッ橋がみえる。八ッ橋とは橋の種類のひとつで、複数の板をジグザグにした形状を表す。また手前には蹲居(つくばい)があり、茶室の近くに設けられることが多い。蹲居とは先ほどの手水鉢、そして手燭石、湯桶石などで構成されたものの総称である。詳しくは清水園(新潟県新発田市)の記事を参考にして欲しい。
旧朝倉家住宅の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 代官山から徒歩圏で純和風の癒やしの空間で、額縁庭園を愉しめる。 |
× | 庭園そのものは平凡なものである。 |