日本最古の学校といわれる足利学校の創建は明らかにされていない。奈良時代、平安時代などの説もあるが、歴史が明らかになるのは室町時代の武将・上杉憲実(のりざね)が、足利の領主となり学校を再興したという書籍である。大正10年(1921)には国指定史跡、2015年には日本遺産の指定を受ける。庭園の作庭時期などは不明で、現状の庭園は、1990年に江戸中期の姿に再現されたものである。
日本最高の学校といわれる足利学校。講義の場でもある方丈と南庭園を望む。
池泉庭園に砂紋が描かれた枯山水が設けられている。案内看板には「築山泉水庭園」と記されている。足利学校自体は、少なくとも室町時代には創建されていたが、本庭園は、江戸時代中期の姿に1990年に復元されたものである。
方丈から額縁庭園を愉しむ。背景に住宅などが映り込みが残念なところ。
南庭園の特徴は大きな立石(りっせき)と赤松である。
縁側から庭園を眺める妻。この角度であれば借景に住宅が映り込まない。
実際に水を入れることができる「宥座(ゆうぎ)の器」。空の時は傾き、ちょうど良いときは写真の様にまっすぐになり、水をいっぱいに入れるとひっくり返ってこぼれるという、孔子の「慢心や無理を戒め」を教える。宥座:常に身近に置いて戒めとするという意味
北庭園の鑑賞ポイントに移動してみた。
奥の庭として南庭園より格式が高いとされる北庭園。亀の形をした中島を置き、南庭園より歴史が古く、過去に三度修復されたとのこと。
客人の接客や、学生の個人授業が行われた書院。書院の座敷から庭園を眺めたいところであるが、立ち入り禁止エリアである。
立ち入りはできないが、書院を眺める空間があり、そこから少し望遠で撮影してみる。畳と障子で切り取られた額縁庭園が美しい。
書院を出て散策してみると、竹林もみられる。
新芽の時から落葉するまで赤く色づくノムラモミジ(野村紅葉)。新緑と朱色のモミジが美しい。
足利学校の案内図(パンフレットより引用) [ 案内図を拡大する ]
○ | 書院から畳と障子で切り取られた北庭園を眺める額縁庭園が美しい。 |
× | 国指定の史跡だが、日本庭園としてみると規模は小さい。また、南庭園の背景に住宅が映り込む。 |