釣耕園
ちょうこうえん
釣耕園は、細川藩のお茶屋のひとつ。現在は誰も住んでいない個人邸であるが、好意で常時公開されている。釣耕園の由来は、漢詩人が庭の風情を「釣月耕雲(ちょうげつこううん)」と詠じたことに由来する。
中国庭園でよく見られるガラスのない窓「漏窓(ろうそう)」が施された石造りの入り口を抜ければ、静寂に包まれた邸宅庭園が現れる。漏窓は、中国の蘇州にある世界遺産の庭園でもある獅子林の記事を参考にしてほしい。
池には何処にも繋がらない沢飛石があり、その先から邸宅方面を眺める景が美しい。
釣耕園の由来となった漢詩「釣月耕雲(ちょうげつこううん)」。「月に釣り、雲に耕す。」と詠む、普通は「魚を釣り、畑を耕す」となるが、生活のための行動ではなく、「大自然に我が身をおき、 広い心にて物事を考え人生を楽しむ」という意味である。これは、鎌倉時代の道元禅師の言葉。この庭園を見た漢詩がそう感じのだろう。
見るべき所が少ない庭園であるが、凛とした空間を求める人には良いだろう。
○ | 中国庭園を思わせる入口の先に日本庭園があるのが面白い。 |
× | 古庭園としての要素が少ない。 |