圓照寺
えんしょうじ
我が国初の戸籍を造ったとされる天智天皇の御代(飛鳥時代)に遠松寺として創建された古刹。その後、江戸初期(1612)に現在地に移転し、圓照寺と改め臨済宗南禅寺派となった寺院である。本堂横には江戸初期に作庭されたとされる池泉観賞式庭園がある。
小浜市は庭園の宝庫であり10ヶ所近くの庭園がある。そのなかでもコンパクトに纏まっており感動的だったのが圓照寺だ。地形を活かした池泉観賞式庭園であり、様々な要素が詰まっているので図解してみる。
まずは左上には三尊石があり、ここから上段・下段の滝石組と続く枯滝石組を構成している。パンフレットには「三尊石から鶴石に水が注ぐように造られている」と紹介されていることより、下段の滝石組は鶴石組であり、滝添石は羽石となる。そして出島は亀出島になり、立石は亀頭石だろう。
滝石組頂部にある三尊石は、うっとりするような力強い意匠だ。
上段の滝石組を焦点距離70mm(35mm換算)で撮影。水が流れ落ちる「水落石」から見事な風合いを感じさせてくれる。
下段の滝石組。滝添石は羽石となっており、左奥の上段の滝石組と連続性を持たせている。滝添石を羽石に見立てた事例としては、滋賀院門跡が挙げられる。
亀出島と左奥に鶴石組。
出島に架かる2枚の石橋。
庭園の全景。これだけの敷地に見るべきところが詰まった古庭園であった。
庭園は本堂横の小さな出入り口からアプローチできる。
○ | 三尊石から枯滝石組で池泉へと繋がる意匠が美しく、滝添石を羽石に見立てた鶴石組も面白い。 |
× | 特に見当たらない。 |