城山公園 雁月庵
しろやまこうえん がんげつあん
安土桃山時代の大名であった里見 義頼によって築城された館山城。江戸初期に廃城となるが、昭和57年(1982)に模擬天守が建築された。事務局に問い合わせると日本庭園は昭和63年に作庭されたとのこと。
房総半島には調べて限りでは一般見学できる古庭園は見当たらない。そのなかで昭和に作庭されたものであるが、館山城にある日本庭園を紹介していく。なお駐車場から舗装された坂道を10分ほど登る必要があることを留意ください。
園内には水流はあるが、基本的には枯山水と露地で構成された日本庭園である。ただ訪問時は整備が追いついておらず白砂は雑草混じりで、三尊石も雑草が伸びており残念な姿になっている。
苔付いた石は風合いがあり比較的力強い。舟石らしき岩もあるが、やはり白砂が気になってしまう。
枯滝石組も雑草で弱まっている。
大型連休などは抹茶を頂ける茶室「雁月庵」。茶室の向かいには主人の迎えを待つ腰掛待合を設けている。
茶室「雁月庵」の反対側には、弧を描くような並びの飛石で苑路を造っている。また軒下には雨滴を受けるため石を敷いた砌(みぎり)がみられる。砌は砌下(せいか/ぜいか)と表現されることもある。
模擬天守の館山城。
○ | 房総半島では貴重な日本庭園であり、風合いのある石を鑑賞できる。 |
× | 雑草により白砂が芝庭に近い状態であり、手入れが追いついていない。秋冬に訪問すれば幾分マシだろうか。 |