五風荘庭園
ごふうそうていえん
岸和田市長を務めた寺田財閥が昭和14年(1940)に、10年の歳月を掛けて完成した池泉回遊式庭園。岸和田市による指定管理者制度で、和風レストランを運営しているが庭園は無料開放されている。
岸和田城の重森三玲による八陣の庭から徒歩2分ほどの距離にある五風荘は和食レストラン。かつては「がんこフード」の「がんこ岸和田五風荘」があり現在は別会社が「五風荘」を運営している。なお嬉しいことに、庭園は一般開放されており、飲食しない人でも利用できるようになっている。そういえば、和歌山市の六三園(がんこ和歌山)もレストランの庭園を自由に見学できるようになっていた。
建築と庭園は市指定の有形文化財(国の登録有形文化財)であり、広大な敷地を回遊しながら庭園散策できる。
池泉は「ひょうたん池」と呼ばれ、中島は蓬莱山に見立てている。蓬莱山とは不老不死の妙薬があるとされる伝説上の山で、写真右側にある舟形の岩島は舟石。この舟石は蓬莱山へ妙薬を運ぶ様子に見立てているのである。
蓬莱山の奥には茶室「山亭」で、崖や池などの上に建物を柱で固定して床下を支える建築方法の懸崖造り(けんがいづくり)で、清水寺と同じ手法である。
中門を潜った先には2つの茶室がある。
流れに自然石の石橋を架けている。年末にも関わらず紅葉が残っていた。
流れの上流には小規模な枯滝石組を造っている。
表千家を象徴する茶室「不審菴(ふしんあん)」にある「残月亭」の写しとなる「利庵・残月席」。
五風荘で食事をすれば、このような庭園を眺めながら食事をいただける。また照明設備もありライトアップされた庭園を愉しむこともできるようだ。特別な日などに利用してみたいものですね。
○ | 高級料亭のような佇まいの庭園が一般開放されており、蓬莱山や茶室(外観のみ)などを眺めながら散歩できる。 |
× | 古庭園としての要素は蓬莱山と舟石ぐらいであり、やや見応えに欠ける。 |